約 301,151 件
https://w.atwiki.jp/sousakurobo/pages/579.html
こんばんは、俺です。 大野啓介です。 実は俺は今、驚愕の事実というのを妹より聞いています。 妹といっても妹を自称する生体アンドロイドだったのです。 それでドタバタ騒ぎがあって、単位を落とした哀れな俺。 自分の所に来た理由をその妹(アンドロイド)に問いただした所で別世界では約半年の時が流れましたという電波が自分の中に響きました。 母さん、意味がわかりません。 この世界では、まだあれから1分もたっていません。 つーか覚えている人いるのか、俺の事!! あ、あれですよ!トラウマ抱えて諦められない人とか妹殺そうとしてる人と違って俺は妹を名乗る人型アンドロイドに殺されかけた人ですよ!! わ、忘れてないですよね!え、言われてそんな話があったなーと思いだした? ありがとう、本当にありがとう。 記憶の片隅にでも残っていたのならば、俺は嬉しくてたまりません。 残っていなかった…? し、仕方ないですよ、半年前の話ですし…うん!! ちょっとそこの部屋の隅で体育座りで咽び泣いてきます、5分ぐらい探さないでください。 というわけでザ・シスターズ第三話始まります。 今回の話はオチ無しヤマ無し谷無し萌え無し変態ありのようです。 ザ・シスターズ 第三話「そろそろ超変態のお季節です。」 高嶺町3丁目 大野家。 2×××年8月1日。 四畳半の一室。 そこには二人の人間がいた。 一人は、俺、大野啓介。 もう一人はミナと名乗る人型アンドロイドだ。 「ずずずっ。」 ミナは目の前にある椀を両手でもって中に入っている淹れたてのお茶を飲んでいる。 テーブルを間に挟んで二人は向き合っている。ミナがこの家に来た理由を彼女自身が説明するというのだ。 「―――ぽっ。」 椀を口から離し、息を吐いて幸せそうな顔をする。 こうしてみていると人間と何も変わらなく見える、一体どんな技術で作られているのだろう…とちょっと興味が沸いた。 「んで、えーと約束通り、話をしてもらいたいんだけれど、知っておいた方が良い事って何なんだ。」 本題に入る。 とりあえずそこから聞かないと…。 そう聞かれたミナはマジマジと俺の顔を見る。 真剣な話ですよ~という意思表示だろうか…。 「実はパパが発案した一つのプロジェクトがNASAの支援を受けて始まったの。外宇宙探査用アンドロイド設計プロジェクト、通称『Project Sisters』。」 NASAと来たか…そういや、半年前、もといさっきもそんな事言ってたような気がする…また、やたらスケールが大きい話だな。 しかし、まあ、ありえない話では無いのが恐ろしい。 ああ見えて俺の父親はロボット工学の権威である。それを宇宙開発のプロジェクトに利用するという事が起こりうる可能性はゼロでは無い。 しかし、問題はだ、その外宇宙探査用アンドロイドの設計プロジェクトに関係しているアンドロイドがなんで俺の目の前にいるかという点じゃないだろうか? 「お兄ちゃん、Project Sistersはね、より人間に近い感情を持つアンドロイドを製作する事を目的にしているの、外宇宙でなんらかの知的生命体と出会った時、臨機応変に対話が出来るようにね。 そしてミナもその試作品の一つなの、今ミナがお兄ちゃんの家にいるのは私が一般的な家庭に溶け込む事が出来るかというのを見て、その完成具合を今、確かめてる状態ということらしいよ。」 へぇーと頷きながら、絶対それ無理だよと俺は思った。 ついさっき、自分が指きり拳万をしようとした時、本当に指を切られそうになったのを思い出したからだ。 「そ、それでお前がここにいる事情は何故なんだ?」 「んー、それは当然にお兄ちゃんがパパの息子だからだよ、パパはね『ふふふ、ミナは私の一番の自信作なんだ、きっとあのバカも気に行ってくれるに違いない!!』と言って私を送りだしたんだよ。」 理由になってない気がするんだが…笑顔で言ってるあいつの顔が思い浮かぶなぁ。 「あー、あいつの顔面にボディーブローをぶちかましてやりたくなってきた。」 「お兄ちゃん、パパは暗黒大将軍じゃないよ!!」 「お前、よくそんなネタを知ってるな…。」 「パパから日本の文化だって色々先に教えて貰ってたからね…。」 「あ、ああ、そう…。」 俺は頭を抱えたい衝動に駆られる。 日本の文化としてそんな事を教えてる自分の父親という存在を考えて死にたくなる。 そもそも文化なのか? 本当なに教えてんだよ、あいつ…。 「あのな、それは文化でも何でもないよ…。」 「え、そうなの?」 と驚くような仕草をミナは取る。 「あのな、○年前のゲームのネタを文化なんて言っちゃうのはとてもダメな事だ、文化というのは――」 そうやって解説しようとする俺の肩に手を当てて優しく、ミナは言う。 「お兄ちゃん、文化っていうのはね、そういうのも全部ひっくるめて文化っていうんだよ。」 笑顔で俺にそう主張する幼女がそこにいた。 親父並みの屁理屈だ、こいつ親父が作ったんだなーとその時初めて思わされた…。 「そういう発言してると親父思い出してお前を壊しかねなくなるから、そういう発言禁止な。」 「ぐすっ、お兄ちゃんが怖いよ~。」 そうして涙ぐむミナ。 その時、大きな音がなった。なにかがバタンと倒れる音。 音の発生源は玄関だ。 そして、玄関から何かが飛び出るようにやってきて、ジャンプ、そして、ひねりを加えた蹴りを俺の顔面に叩きこんだ。 俺の体はその衝撃で宙に浮く。 母さん、見てますか、人間って羽が無くても飛べるんですよ。 そんな事を思っている間もなく、俺の体はドロップキックの衝撃で壁際に飛ばされた。 「大丈夫か!!君!!!こいつに何かされなかったか!!!」 玄関からやってきた謎の襲撃者は、俺を無視してミナを抱え込むようにして抱きしめる。 その声の主に俺は心辺りがあった。 しかし、マジで痛い、とっさに軸を会わせて首の骨、折れないようにしたけれど、当たり方によっては最悪命に関わったぞ、この馬鹿が…。 そして馬鹿はミナを背に俺の前に腕組みして立つ。 「俺は幼女の味方だ、君の涙声を聞いて、扉を蹴り破ってやってきた!!今からそこにいる暗黒代将軍をやっつけるから、君はそこで――」 「お兄ちゃんに、酷い事したな…許せない、惨めな事この上ない死に様晒せ、この下種。」 その瞬間、襲撃者の股間にミナの強烈な蹴りが炸裂した。 「え、お兄ちゃんのお友達なの?」 はれた頬を氷で冷やす俺にそう尋ねるミナの驚きの目が少し痛い。 「平野幸平って言ってな、いわゆる幼馴染というか腐れ緑というか…。」 それからミナは考えるような仕草を取った後、 「あのね、ミナが言うのもなんだけれど、お兄ちゃん、お友達は選んだほうが良いよ。」 そう深刻そうな顔でミナが言った。 正論過ぎて、俺はグーの根も出なかった。 それに反論するように暴れる馬鹿が一名。 「何をいう、明智くん、ロリコンは世界共通の正義だよ」 「お前の脳内だけだ!!」 「ふっ、友は悲しいな、そもそも何を恐れているのかね、ロリコンであることか?」 「俺はロリコンになったつもりは無い!」 「いやはや、まあ、それは仕方のないことだ、そりゃあ、誰だって熟女のかさぶれた肌なんかより幼い娘の軟肌の方がいい。 自分よりちっちゃい子の方が頭なでられて可愛い、何より自分についてきてくれる、ああ、成熟しきってない乳もまた魅力だ。そしてあの小動物顔、ほっぺたをぽにゅぽにゅしたくなる~。」 「何でロリコンがあんなに危険視されてるのかよくわかる発言だなぁ・・・つーか、肌の手入れ頑張ってる熟女の方々に失礼な発言だろ!」 「ロリ…コン?」 ミナは知らない言葉を聴いたという風な顔をする。 「知らんでいい。」 「調べてみるね。」 「調べなくてもいい!!」 「ちなみに熟女は熟女でいいぞ、俺はこう見えても全属性持ちでな、ぺドから婆までなんでも来いだ。」 「いや、お前の変態性をここで露出しなくてもいいから、頼むから黙っててくれ、てか帰れ、何しに来たんだボケ。」 そう言う俺に、幸助は涙を浮かべて言った。 「何しに来たって、大好きな啓介をいじりに来たに決まってるじゃないか…。」 「帰れ、つか一回三途の川、渡って来い!!!そこから帰ってこなくていいから!!!」 「ミナがやろうか?」 そう腕まくりをしてミナが言う。 こいつまた俺の言ったことを字面通りの意味で受け取ってやがる…。 「ひぃーあ、まさかあのロリっ子が、俺を殺そうとしてるの?いや、それはそれでときめきに見たものを感じるが…。」 そしてこいつは何か感激して、痺れてるし。 「ミナもやめろ、こんな奴の為に手を汚しちゃ駄目だ。」 「ああ、友よ、この俺を助けてくれるのか…やっぱりお前は心の友だべさぁ。」 「俺が殺す、この役目、誰かに譲れるものかよ…。」 結構マジで言ってた。 「うっきぃぃぃぃ!!!一瞬でも信じた俺が馬鹿だった!!!ねぇ、君、ミナちゃんだったよね、こんなお兄ちゃんは酷いと思わない?」 そう涙を流して同情を誘おうとミナを見る幸平。 だが、ミナはそれを気にも留めず無視した。 「ねぇねぇ、啓介、あの子冷たいよ、心がまるで機械みたいだよ…。」 そりゃまあ、ロボットなんだしなぁー。 「んで、そろそろいい加減に出てって欲しいんだが、なんか用事あるのならば、ここで言わないとガチに公園の砂浜に埋めるぞ。」 それなりに殺気をこめて言った。 流石の幸平も危険を感じたのか…少しせき払いをして、 「いや、あのな、今日、ブレイク・ザ・ワールドの大会なの覚えてるか?」 あーそういえばそうだったなーと俺は思う。 ブレイク・ザ・ワールド、略称:BW。現在巷で人気のハイスピードロボット対戦ゲーム、有名デザイナーのデザインの機体と練りこまれた設定、奥が深い操作性は多量の人間を魅了させ、 いまや、三大アーケードとして人気が非常に高いゲームだ。 かくいう俺もこのゲームのプレイヤーで既にこのゲームに投資した額はPCを一つ買えるぐらいの金額であった。 「あーでも、今回はパスかな、見ての通りごたついてるし…。」 「えー、来ないのかよ、今回の優勝者にはあの幻のBW初期設定資料が贈呈されるらしいぜ…。」 BW初期設定資料!!!! 「あれか、あの、イチ・過渡期とか、ようじ・ニューリバーとかが書いた初回限定イラストが載っているあのBW初期設定資料の事か!?」 欲しくて夢にまで見たBW初期設定資料。だが、あまりの在庫の無さと値段の高さに諦めた代物だった。 それを探して、ネットのオークションに1カ月貼りついていた時期もあったほどだ。オークションで出品されていたどれもが即決で売れてしまい、手に入れる事が出来なかった。 「そうよ、それよ、そのBW初期設定資料よ、もはやマニアの中では10万の価値がついちゃってるアレよ。あれを今回の優勝者には贈呈してくれるんだぜ?出ない手は無いだろ?」 そう甘い声で俺を誘惑する。そして俺は2秒で折れた。弱いなぁ、俺…。 ゲームセンター『ヘブンワンダー』、ここら一帯では最も大規模なゲームセンターだ。 ここには全国区といわれているBWプレイヤーが8人ほど常連している事でも有名でBWの聖地などと言われる事もある。 「あ、アカハナさんだ、アカハナさんも今日の大会でるんですか?最近見なかったから何処言ったのかと皆で言ってたんですよ?」 ヘブンワンダーの入り口で一人の顔見知りと会った。このゲーセンの常連組の一人だ。ちなみにアカハナっていうのは俺のエントリーネーム。 「まあ、色々とあってね。」 そう頷く。 実際の所は単位たりなくて勉強漬けだったというだけだ。 「あ、あれ後ろにいるロリ神さんはともかくもう一人の女の子は誰ですか?彼女…というには若すぎるし…もしかして彼女もBWを?」 常連が俺や幸平の後ろにいる、ミナに気づいた。まあ、気づくよなぁー。 「こいつは…まぁ俺の親戚みたいな奴。一人で家に置いておくと色々心配なんで、連れてきたけだ。ゲームはやらないよ。」 本当に心配だった。いや、半年ま…いやいや、さっきの奇行を思い出すとね。 「えーマジッすか?女性プレイヤーが来てくれるってだけでも皆大喜びなのに…。」 ゲーセンつーのは基本的に男のたまり場だ。こういう対戦ゲームは特に女性人口が少ないのが特徴で、とにかく女性プレイヤーが来たというだけで男衆は大盛り上がりする。 「BWって面白いの?」 そうミナは俺の袖を掴んで聞いてくた。 どう答えていいものか迷った俺を押しのけて答えたのは俺じゃなくて幸平だった。 「ああ、面白いぞ、ここらじゃBWやらねーゲーマーなぞいねーからな。ここでミナちゃんにカミングアウトすると俺、実は全国大会準優勝チームの一員なのよ…。」 事実である、まあ、全国大会は3on3のチーム戦であり、こいつはその全国大会で一勝もしてなかったりするのだけれど…。 そんな幸平の話を聞いた後、何かに頷くようにしてミナは俺に向けて口を開いた。 ああ、この口を開く瞬間に俺は凄く嫌な予感がしたのは特筆するまでもない出来事だ。 「お兄ちゃん、わたしもこのゲームやってみたい。」 つづく!!!! 次回予告 幸平「ふふ、ははは、ハーハッハッハッ!!ついについについに登場したぞ、俺が!!公式設定『変態』それだけしか設定がなかったこの俺が!!!」 啓介「設定できてから1年たっての登場だっけ、長かったなぁー。」 ミナ「正直、出なくてよかった気もするね!」 幸平「いや、そんな事は無い、俺はついにロボスレに降臨したのだ、これからはロボスレのありとあらゆる作品にレスを返し、ヒロインを俺の嫁俺の嫁と認知させる計画が…。」 啓介「確実にスレ住人から総スカンどころか死ねっていわれるだろうな。」 ミナ「むしろ死んだ方が世のため人の為だよね、お兄ちゃん。」 幸平「ふっ、俺が生きていてはいけない人間だなんて事は知っていたさ。」 啓介「じゃあ、なんで死なないの?」 幸平「ああ、でも世界のどこかには俺という存在を必要としているロ…いやいや女の人が、俺の助けを待っている、ロ…いやいや女の人がいる筈なんだ。」 ミナ「ミナがNASAのシステムで調べたところによるとそんな人はいないよー。」 啓介「………だそうだ。」 幸平「何が、『だそうだ』だ!!なんでNASAにそんな事わかるんだよ!!あ、あれか、NASAってとりえあず付けとけばなんとかなるとか思ってたりしないよな?この話!!」 啓介「とりあえず、今回は俺たちがだべってるより重要な予告事項があるらしいから、とりあえずそっちを先に片づけようか…。」 ミナ「お兄ちゃんに賛成~。」 幸平「とほほ、つまりは俺の扱いってこういう事なのね…。」 ミナ「それじゃ重要告知始めるよ~。」 ブレイク・ザ・ワールド 予告編 西暦3000年。 第三次世界大戦による核兵器の汚染で地上が人間の住む世界では無くなってからはや500年の月日が流れていた。 戦争で生き残った人々は地下に移り住み、過ごしている。 今や人間たちは地底で統制管理局の治安の元に過ごしている。 既に長きの間、地におしこめられた人々には地上というのは地獄の世界であり、悪鬼たちが跳梁跋扈する世界だと伝えられている。 統制管理局もまた、それを肯定するような情報操作をし、人が地上に出ようとしているのを極端に拒んでいた。 だが、それと別にもう一つの伝説が存在する。 空の存在だ。 地底世界には無い天井の無い天井。 果ての無い、永遠。この世で最も美しき青が存在する世界。 それが地上だというのだ。 もはや地底世界が当たり前になっているこの世界では人々は天井の無い世界など無いとその伝説を嘲笑ったが、その伝説を夢見て、今もなお空を目指そうとしている人間たちがいる。 地上は既に人が住める実りある世界なのだと信じてやまない人たちがいる。 人はそれをグロウズ(愚か者)と呼んだ。 グロウズ達は徒党を組み、自分たちの手で空のある世界を目指そうとする。 だが、統制管理局はそれを頑なに拒み、グロウズ達と統制管理局は戦いの火蓋を切る事になった。 何故そこまでして、統制管理局は人が地上に出る事を拒むのか? 地上には何が隠されているのか? 第三次世界大戦に秘められた真実とは? これはその戦いの物語である。 この閉鎖された世界を壊すのも守るのもあなたしだい。 このゲームは3Dハイスピード対戦ロボットアクションとなっております。 あなたはグローバー、もしくは統制管理局のどちらかのパイロットとなって、世界をかけた覇権争いに身を投じる事になります。 あなたに与えられるのはディベンダーと呼ばれる人型機械兵器です。 各機それぞれに違った特性がありますので、あなた好みの機体をチョイスされる事をオススメします。 操作方式は2ペダル、2レバー。 アクセルペダルとブレーキペダルにより加速と停止を行い。 レバーで方向制御、レバー対応武器と照準、ブーストを行います。 武器によってはロック機能があるものと無いモノがありますので注意してください。 用語集 【ディベンダー】 地下世界で使われている10m程度の人型機械ロボット。 兵器タイプから作業用タイプまで種類は豊富である。 複座式になっており、あなた以外にあなたをサポートするキャラクターが一人搭乗します。 概念系ギミックは禁止という設定の縛りを設けている。 ちなみにグロウズ側は全てワンオフで、統制管理局側は全て量産機ベースのカスタム機。 【次元歪曲システム(システムメビウス)】 空間をねじる事により、天井と床を繋げるという驚異のシステム。 このシステムにより人は地下に閉じ込められている。 一定以上の高度に達すると次元の歪みに捕えられ、地下に戻されてしまう。 この為、この世界はでは一定以上の高度を取る事が出来ない。 ようは空中戦駄目よという為のシステム。 【兵装に関しての基本設定】 武器によってはロック機能があるものと無いモノが存在しています。 ロック機能が無いモノはアサルトライフルのような連射性が高い兵器 ロック機能があるものはミサイルポットのような銃火力系の兵器(弾数が少なくリロードが非常に遅い) 前者はリロードも早いが後者はリロードが遅い。 【ブースト】 ゲージを使用した高速移動。 ゲージは時間経過で自動回復する。 また、ゲージが0になるとオーバーヒートを起こし、一定時間ブーストが使えなくなる 【ルール】 3ラウンド2本先取で1ラウンド90秒のバトル。 ステージは平地ステージ、都市ステージ、地下水道ステージの三つ。 【BC】 ブーストキャンセル。 行動による硬直をブーストゲージの50%を消費する事で、解除しブーストするシステム。 【FW】 ファイナルウェポン。 一機につき1度だけ使える超必殺兵装。 使用後はブーストが使えなくなるリスクがあるが、その威力は強力無比。 バトル開始の30秒後から使用可能になる。 機体紹介 【その1】 グロウズ所属。 近接特化タイプのディベンダー。 武器は振動により高い切れ味を持つ太刀の二本と、腕にしこまれたワイヤーアンカー(ロックオンあり)。 全機体中最大の機動性と旋回性を持つが、その反面、中距離までの範囲の武器しか持たない為、攻撃を行うには近づく必要がある。 ロックオン無効という機体特性があり、ロックオン系の兵装がこの機体をホーミングする事はありません。 遠距離や中距離があまり得意ではないがスピード感ある操作性が印象的で人気の高い機体。 コンボも結構お手軽かつ高火力の為、いかにして近づくかという辺りにプレイヤーの技量を問う機体となっている。 グロウズが統制管理局で作られていた新型を奪取したという設定になっている。 機体色は青で背部に二つあるブーストユニットが特徴的。 この作品の顔となる機体。 FWはハイアクセルブースト。 20秒間ブーストが無限に使用できるようになり、ブーストの移動速度も2倍になります。 サポートキャラはメグミ・サカキ。 16歳、黒髪ロングヘアーの少女。基本的に人付き合いが苦手で感情を表に出す事がないが、本人もそれを駄目だと感じており、時折らしくない発言を繰り返す。 ボイス例 勝利時 パターン1「目標を制圧、お見事です。」 パターン2「えっと、こういう時は、やったーって言えばいいのかな?」 敗北時 パターン1「嘘っ…。」 パターン2「戦闘の続行は不可能、すぐに退避を…。」 FW使用時 パターン1「ハイ・アクセル・・・・ブースト!!!!」 パターン2「超高速戦闘モードに移行。」 S~D式五段階評価 スピード A 火力 A 装甲 B 射程 C 【その2】 統制管理局所属。 バランス重視のディベンダー。 近接用のバイブレーションナイフとアサルトライフル(ロック無し)にフラッシュボム、背部にミサイルポット(ロックあり)を装備したハイスタンダードタイプ。 また、電磁地雷により、それを踏んだ敵機体の動きを3秒ほど止める事が出来る。 近中遠のどれもにも対応した高い汎用性が特徴だが、大きな火力になる武装がミサイルポット以外なく、火力不足な側面がある。 BCを利用した高火力コンボも存在するが安定度が低い為、会得が大変。 だが、非常に操作がしやすく武器バランスも良い為、初心者に好まれる機体。 機体カラーは黒。 FWはプラズマエフェクト。 周囲に広大な電磁場を発生させ、範囲内の敵機の動きを止める。 サポートキャラはレイナ・レイティケイア。 17歳、名門の出であり高飛車な金髪ツインテール貧乳な女性。貧乳なのがコンプレックス。 勝利時 パターン1「おーほっほっほ、このレイナ・レイティケイアと同じ機体にのっているのですから当たり前の事ですわ!」 パターン2「べ、別にあなたの腕前に関心なんてしてないんですからね!!!」 敗北時 パターン1「い、いやぁぁぁぁぁあああ!!!!」 パターン2「この愚図!鈍間!!退却しますわよ。」 FW パターン1「プラズマエフェクト起動!」 パターン2「磔にして差し上げますわ!!」 スピード B 火力 C 装甲 B 射程A 【その3】 情報管理局所属。 その象徴たる身の丈ほどのブースター付き大剣が印象的なパワー型ディベンダー。 武装は象徴たる大剣『鉄断』とガンビット、バイブレーションナイフのみである。 ガンビットは相手を追跡し、搭載された機関砲で射撃するビットであるが、威力は低めに設定されていて、これを火力として使うには心もとない。 このビットを上手く使い、いかに相手の動きを止め、大剣をぶち込むか、それだけに特化した立ち回り重視の中級者向け機体である。 ビットの数も限られており、使いどころが非常に難しい。 見た目通り、動きが重めに設定されているが大剣を抜刀している状態と納刀している状態では動きの速さが違う。 抜刀時はスピードDとなるが納刀時は大剣のブースターを推力として加える為、スピードBとなる。 FWは大回転風車。 抜刀時に大剣のブースターを使って独楽のようにまわって回転しながら相手の方に突撃していく回転斬り。 発生が少々遅いが範囲が広く使用時にはアーマーが付く為、トドメによく使われる。 機体カラーは白色、西洋甲冑に大剣持たせたようなイメージの機体。 サポートキャラは若干12歳にして機械工学の天才と呼ばれるショートーヘアー少女、ミミ・アイバック。プレイヤーの事をお兄ちゃんと呼ぶ。 勝利時 パターン1「この鉄断に立てぬもの無し!!なんつて・・・」 パターン2「やったー、お兄ちゃんとミミの勝利だよ!!」 敗因 パターン1「お、お兄ちゃぁぁぁぁん!!」 パターン2「うぅ、ボロボロだよぉ…。」 PW パターン1「今こそ、見せよう必殺奥義『大回転風車』!!!」 パターン2「いつもより、多く回しております~」 火力 S スピード C 装甲 A 射程 B 【その4】 グロウズ所属。 元々は作業用のディベンダーを戦闘用に改造した代物であるパワー型ディベンダー。 武装は右腕の大型ドリル、左腕に付いたオオバサミのみ、胸部の射出型ワイヤークロー。 単筒型の大型ブースターを背中に背負っているのが特徴で前方ブーストの速度は全機体随一であるが、その反面、横ブーストの性能は低い。 オオバサミからの派生である掴み潰し投げは射程こそ短いものの全機体最高の威力を持つ技であり、これに浪漫を感じて使うものは多い。 だが、中距離用の装備である射出型ワイヤークローは連射も効かずダメージ源にもならない、その代り、当てた相手をこちらに引き寄せる事が出来る。 相手が動けば拘束が解けてしまうので長時間拘束する事は出来ないし、引き寄せられる距離も限られている。 また、基本的な機体移動速度も遅めに設定されており、ブーストを使っていない時の速度は全機体でも二番目に遅い。 その為、ブーストのゲージ管理が大変な機体であり、玄人向け。 BCを絡めることで1コンボで相手の機体の装甲B以下の機体のライフの6割を削り取る驚異の火力が特徴であるが、そこまでブースト管理が出来るかという辺りにプレイヤーの技量が問われている。 色は黄色で無骨なつくり、複眼。 FWはカットエンドクラッシャー。 ハサミで掴み、ドリルで相手の装甲を貫く。 密着時のみ命中の浪漫溢れる技、当てると相手のライフのB装甲以下の機体ならばライフを10割を減らす事が可能。 まさに最高の浪漫であるが、高速機動する相手に当てる事が困難であり、完全な先読み入力が必要になる。 基本的に立ち回りが有利になる機体がおらず、相手の隙や甘えた行動を探して、ブーストを上手く使って割りこんで一撃必殺を決めて行く機体である。 サポートキャラはレイチェル・ドゥクス。 白地のTシャツに作業衣を着こんだ、19歳のポニーテールの姉御キャラ。 勝利時 パターン1「はは、やるじゃん、あんた。」 パターン2「この鋏で、あたしたちは空への道を切り開く!!!!」 敗因 パターン1「くっ、今は退却だよ。」 パターン2「ちくしょぉぉぉ。」 PW パターン1「武器っていうのは一撃必殺であるべきなのさ。カットエンドクラッシャー、決めさせてもらうよ!!」 パターン2「貫き通せ!!カットエンドクラッシャー!!!!!!」 火力 S スピード D 装甲 S 射程 D 【その5】 統制管理局所属。 射撃戦特化ディベンダー。 右腕にアサルトライフル(ロック不可)に左腕にグレネードランチャー(ロック不可)、肩に背負ったリニアレールガン(ロック可)とミサイルポット(ロック可)が特徴。 とにかく遠距離からの射撃に特化した機体であり、両腕に射撃武器を装備している為、近接武器を装備する事が出来ないという欠点を持つ。 射撃武器による格闘モーションはあるが、ダメージは低く、モーションも遅いと、正直、使い物になるものではない。 よっていかに距離を保って、中遠距離から射撃するかが勝負になっている。 弾幕を張り、いかに相手を近づけずにライフを削り切るかが勝負になっている。 リニアレールガンは一発ごとにリロードにはなるものの長射程高威力の武装であり、この機体を象徴する武装の一つ。 リロードなどの問題から弾数管理も大変な機体であり、中級者向けと呼べる機体になっている。 FWはフェニックスブレイク、エネルギーフィールド発生させ突撃する武装。 発生から終了まで全身無敵の攻撃であり、近接能力が低いこの機体の近付かれた際の、緊急脱出と弱点を逆手にとった切り札といえる。 サポートキャラはDと言うコードを持つ女性型アンドロイド。外見上は15歳程度。 勝利時 パターン1「敵機の撃墜を確認、これより帰還します。」 パターン2「ミッションコンプリート、お疲れさまでした。」 敗北時 パターン1「戦闘続行不可能、ただちにここから退却を…」 パターン2「駄目…でしたか…。」 FW パターン1「全リミッタ―解除、フェニクッスブレイク起動。」 パターン2「この機体に近接武器がないとお考えのようですが…これはどうですか?」 火力 B 装甲 C スピード A 射程 S 【その6】 グロウズ所属。 超軽量装備のディベンダー。 その軽量さを活かした全ディベンダー中最速の動きが特徴だが、重量の大きい武器は持てず、装甲も最も薄い。 武装は6連式リボルバーにサブマシンガンとバイブレーションナイフ。 リボルバーの弾は切り替える事が出来、2種の弾を打ち分ける事が出来る。 通常弾とウィルス弾の2種であり、通常弾は威力を高めに設定された弾丸で、メイン火力となる弾。 ウィルス弾は命中すると、相手の機体の画面から5秒間、機体の姿が映らなくなるという補助効果を持つ。 これらを上手く使い荒らしていくのがこの機体の基本的な戦い方、ウィルス弾は特に強力な武装であるが最低ランクの装甲ゆえに1度のミスが敗北に繋がる事も意味しておりミスが許されないのが特徴。 また、基礎火力もかなり低めに設定されている。 FWはポイズンバレット。 特殊弾をリボルバーに装填し連射する。 当たると、弾丸に内蔵されたナノマシンが機体の体内で暴れまわり少しずつライフが減らしていく。 また、ダメージ計算ではなく、パーセンテージでのダメージになるので全機体に共通のダメージを与えられるのが特徴。 10秒ごとに10%のダメージを受け、最大40%のダメージになる。 なお、この機体のみFWを使用してもブーストゲージは使用不可にならない。(ただしFWは一回のみという原則は変わらず) サポートキャラはナノマシン工学の権威、リース・エメラルド。 眼鏡にみつあみが特徴でいつも白衣を着ている。 勝利時 「お疲れ様~、スクラップはリサイクルするんで、回収お願いします~。」 「お見事、これからもよろしくね。」 敗北時 「次は無いと思ってくださいね(微笑みながら)」 「はぁー、あとで反省会ね。」 FW 「これはあなたの機体をじわじわ~っとダメにしていく私の特別製ですよ~。」 「機械毒。その力、ゆっくり味わってくださいね。」 火力 C スピード S 装甲 D 射程 B 【その7】 統制管理局所属。 重装備、重装甲が特徴の重量級。 重い機体を動かす為に体の各所にスラスターが埋め込まれており、そのガタイに似合わず高い機動力を持つのが特徴の紅いディベンダー。 武装は大型アックスとガトリング砲、胸部と腕部にバルカン砲内蔵。 全体的に非常に高いレベルでまとまっているが、燃費が悪いという設定から、ブーストの消費率が1.5倍に設定されている。 その為、他の機体以上にブースト管理が難しくガタイの大きさもあり、回避能力はあまり高くない。 また、ガトリング砲はブースト中には発射出来ないという制約がある。 FWはレインフォール。 背部バックパックにあるミサイルを全て放つことで広範囲の制圧を行う。 回避は困難であるが単純に威力比較すると攻撃系FWでは最弱クラスではある。 サポートキャラはセレーヌ・クロケット。 黒髪長髪の八方美人だがドS。手にいつも鞭を持っている。 勝利時 パターン1「何を喜んでいる?当たり前の事だ。(ゲシッと頭を蹴る音)」 パターン2「ふん、ウジ虫どもが、身の程をわきまえるがいい。」 敗北 パターン1「貴様、帰還したらどうなるか、覚悟しておけ!!!」 パターン2「こんな結果…認めるか!!!」 FW パターン1「ミサイルの雨だ。ふふふ、たんまり喰わせてやろう。」 パターン2「害虫は駆除するものだろう?」 火力 A 装甲 A スピード A 射程 A E 啓介「………。」 幸平「………。」 ミナ「………。」 啓介「………今回の次回予告は長いよとか予告してたけれど、実質的にこれ単なる設定解説だよな…。」 ミナ「作者曰く「せっかくゲーセン的なゲームだしたんだし、それなりに遊べるように設定は作ってみよー」と設定作ってたらこんな事になっちゃったらしいよ、お兄ちゃん。書き出してあるシスターズの設定全部より長いらしいよ!!」 幸平「ちなみに世界観は丸ごとBOF5のパロディだそうな。あとやったことないけれどPVとかから、バーチャロンとかAC的なものを想像してぬるい格ゲー知識でバランスを考えたらしい。とりあえず動かしてて楽しいをモットーに設定作りに励んだんだとか…。」 ミナ「ちなみに、機体名決まって無いので、募集するらしいです。避難所で許可も取れたしね!出来ればグロウズ側と統制管理局側の双方に統一性があるのが良いとか…。出た奴を作者の独断と偏見で決めるそうです。」 啓介「下手に投票したらなんか大変な事になりそうだから、この辺りは許して欲しいとか言ってたな…。」 幸平「ちなみに皆の意見は出来る限り取り入れるつもりだとか、ちなみに8機はいないと対戦ゲーにならないよなーとか思って8機用意したけれど、8機も裁けるか!!とか自爆してもいるので、空気る機体もいるかもしれません。 その辺りは本当に申し訳ないのですが、ご了承くださいとのことだ。」 啓介「また、無茶苦茶な…てか7機までしか公開されてないような…。」 ミナ「一応、頭の中で設定出来てるけれど間に合わなかっただそうです、なんかこういう機体が欲しいとかイメージ出しておくと採用されるかもしれないよ!」 啓介「他人任せにしてるようでなんかおいしい所だけとろうとしている腹黒い側面が見えるな…。」 ミナ「では、次回、ブレイク・ザ・ワールド第一話『閉鎖された棺の中で…』お楽しみにね!!!22スレ後の未来でまた会おう!!!」 啓介「22スレ後って…それ、あんまり冗談になってないのが怖いんだが…てか、もう、シスターズですら無いのかよ!!!」
https://w.atwiki.jp/majokkoxheroine/pages/189.html
第三話: ブラッドエリス ”あなたの血の赤で、あたしを塗って、ハニー……” ――タンクメイジ 『カラー・ミー・ユア・ブラッド・レッド』 海から太平洋の色が遠のいていく。やがて空も水も、ペンキをぶちまけたような鮮やか過ぎるほどの青。 水上滑走戦闘機『ペイルホース』の水色の機体が銀色の波を切り出していくのを、 後座についた金髪の少女――エリスは丸窓からじっと眺めている。 足元ではボリスが操縦席にのめり込み、人機一体の感覚に没入している。 エリスは窓からボリスへと視線を移した。伸びた黒髪の、つむじの部分を見つめた。 二本の操縦桿をしっかりと握りっていながら、欠片も力みをうかがうことの出来ない白い手を見つめた。 機内の轟音を貫いて、彼の柔らかな息遣いを耳に感じる。 鼻はオゾンの匂いを無視して彼の髪の香りだけを感じる。 波ひとつない海を機体の腹が繰り返し叩くリズムから、彼の心が手に取るように分かる。 「ねえ」 「どうした?」 ボリスは光り輝くモニターに向いたまま、振り返ることなく答えた。 「肌がピリピリするの」 「3分前からだろう? さっき魔空間に入ったからな」 「あ、それでか」 「何が?」 「海の色が変わったと思ったの」 「そうだな」 エリスはヘッドレストに後頭部を押しつける。 ペイルホースの後部座席は映画館の椅子に似ていると思った。 勿論あれよりはいくらか固いが、長期の航行にも耐えられるよう最低限の居住性は確保されている。 腰や膝がつらくなってきたと感じるのは、単に自分が人より虚弱な体質だからだろう。 「朝から何も食ってないだろ、大丈夫か?」 笑って返す。 「これから飛ぶっていうのに、何か食べたりしたら上がったときゲーッてなっちゃうよ」 ボリスも笑った。 「魔空間なら抵抗が少ないからな、きっと飛び易いぜ」 魔空間――現実界と魔法界を隔てる間隙。 強力な移動呪文なら簡単に越えられる、目には見えない一瞬の世界だが 戦闘機のような大質量を転送するためには、移動用に物理空間のトンネルを作り出さなければならない。 ボリスたちが機体を駆る海原も、実は一時的に拓かれた輸送路に過ぎない。 しかしその広大さは見た目通りで、利用する人間の数からするとあまり大きすぎるくらいだった。 58 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 10 21 ID pVoyrG8a [2/9] 「じきぶつかるぞ……エリス、ロックンロールだ! いつでも出られるよう覚悟しとけ!」 「イエー!」 複座のエリスが万歳してみせる。早速、ペイルホースのレーダーに光点が出現する。 視界にも同じく標的が現われた。ペイルホースから10時の方向の海面に白亜の巨大建築が浮上する。 丸窓からもその偉容を拝むことが出来た。 魔法国グラヴィーナ現政権、ユザール連邦指揮下の戦艦『フラダリ』。 アイリスの花の紋章を模った船体はメートルで全長約300、幅300、全高100、搭乗員数4000、 ボリスは40メートル大、乗員二名のペイルホースとエリスを使って、この大物に仕掛ける気だった。 魔空間では、充溢する魔力の影響でレーダーの精度が大きく落ちる。 お互い、今ようやく敵の存在に気づいたばかりだ。フラダリが遅ればせの砲火を開始する。 流線型の胴部に二対の小さな翼、V字型の尾翼、新種のイルカのようなペイルホースが 低空を風と水に唸りを上げて急加速し、機体を右斜めに浮かせて敵の真横を掠めるように機動を変える。 音速で飛来するミサイルを、ビーム照射で焼き払う。 砲弾が水柱を立てるが、弾幕を縫うペイルホースの装甲には傷ひとつつけられない。 「射出用意――エリス、上がれ」 「アイサー」 間近をかすめる砲撃にびりびりと震える機体の中で、エリスはどうにか座席のコンソールを叩いた。 頭上のハッチが開くと、後座の椅子だけが彼女を乗せたまま上にスライドしていく。 「いっくぜー」 射出口に座席が完全に入ると、真鍮色のチューブの中で、椅子から離れてカタパルトまでよじ登る。 傾斜20度のカタパルトにどうにか身体を固定すると、 「いつでもOK!」 『了解』 ボリスの声が耳元のスピーカーから聞こえた。ハッチが閉まり、射出口は一瞬真っ暗になる。 それから赤い信号灯が点ると、エリスを乗せたカタパルトがゆっくりと上昇していく。 けたたましい機械の作動音――エリスは病院の、CTの機械を思い出す。 ボリスの操縦で、機体が次第に水平飛行になっていくのが分かった。 『ぶっ放すぜ、後は打ち合わせ通りに。回収地点はこちらから誘導する』 「じゃ、後でね」 カタパルトの上昇が停まった。角度が低くなる。と、急激な加重――発射まで。 59 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 11 16 ID pVoyrG8a [3/9] 赤い信号灯から再び暗闇、そして生の真っ青な空へ。 彼女は寝そべった格好で、ペイルホース後方の中空に射出された。 空や海に溶け込むように青いエリスのボディアーマーと長い髪とが、フラダリの巨大な白い船体と並走する。 白――ハート型の小さな顔、むき出しの肩。胸元に点のような、血の赤をしたユリの花のマーク。 その下に、やはり赤で書かれたか細いイタリック体の『Blood Eris』。 折り畳まれた背中のフライトユニットが展開すると、 翼の裾に据付きの三対の小型ブースターが水色の炎を吹いて長い尾を引いた。 離れていくペイルホースから独立して、彼女はフラダリの真横についたまま飛行を続ける。 空、海、戦艦、地図のイメージと計器のイメージ、そして全く新しい知覚―― 全身から放出される、不可視の魔力の舌が空気を舐める感触が加わる。 そのためか変身後必ず訪れる軽い酔いを、エリスは今度も覚えている。 バルカンの照準が彼女を狙う。 エリスはきりもみ飛行で銃火をすり抜けながら距離を詰めると、 翼に搭載された計12発の超小型ミサイルを放った。 ミサイルは短距離をロケット花火のように軽々と飛ぶと、正確にフラダリの左舷砲座を潰していく。 迎撃が弱まるとエリスは敵の左斜め後ろに引いて、フライトユニットをパージした。 二枚の軽合金の翼が彼女の足元の水平線へ、 突風に舞い上げられたベニヤ板が地上すれすれを転がるようにして落ちていく。 失った翼の下から、また翼――エリスの背中が水色の炎を噴いた。 全長10メートルを越える炎の翼は、その先に鋭い棘をもった砂漠の植物の肉厚の葉のようで、 パージによって衰えたエリスの推力を一気に取り戻す。 エリスは左舷への急接近と同時にロールを繰り返した。 炎の翼の棘が、フラダリの白い装甲を触れた先から焼き切っていく。 わずかに間隔を空けて、爪で裂いたような傷跡を左舷全体に残していくと、 船体の避弾傾斜に沿って、背面で装甲を炙りながら上部甲板まで上がった。 甲板に設置された二列の銃座が、自動制御の一糸乱れぬ動きでエリスに向くが 砲弾はフラダリと逆方向に走った彼女を捉え切れず、すれ違いざまに翼になぶられた順に爆発していく。 エリスは左一列を全滅させて後方に下がると反転し、今度は右側の銃座を襲った。 銃座と同じく、対空ミサイルや魚雷の発射口も翼の魔法の熱で溶解する。 何順かして甲板の攻撃能力を完全に奪うと、エリスは最後にもう一度船体を深く抉って、上空へ離脱した。 上昇の際、空の彼方に灰色の点をいくつか、エリスの強化された視覚が見つける―― ボリスの手勢、フラダリに止めを刺すための航空機編隊。 エリスは針路変更して、ペイルホースとの合流地点に急いだ。 60 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 12 23 ID pVoyrG8a [4/9] カリフォルニア半島沖、セドロス島の秘密ドックにペイルホースを収容した。 変身の解けたエリスを抱えて、ボリスが降りてきた。エリスは彼の腕の中で静かに寝息を立てている。 迎えに現われた部下たちの中からエヴノー――髭面の大男が歩み出て、彼からエリスを受け取ろうとした。 「いや、大丈夫。おれがこのまま運ぶよ」 「航空隊からフラダリ撃沈との報告を受けています。上々の首尾だったようで」 「この娘にまた無理をさせちまったな。起きたら検査に行かせるから、ザジ先生にそう言っといてくれ」 「陛下も休まれますか? お疲れでなければ、四時には上がってきていただきたいのですが。 航空隊が帰頭し次第ブリーフィングを行って、分析と次回の作戦内容の検討にかかりますので」 「おれは大丈夫、その時間には行くよ。それと毎度言うようだが、頼むから『陛下』は止してくれ――」 エリスを抱いたままドックを出、屋外の岩場に架けられたコンクリートの道路を歩いていく。 14歳の少女の身体の重みが次第に辛くなる。 しばらく進んだところでいよいよ腕がだるくなり、格好つけてエリスをひとり運んだことを後悔しはじめた。 途中でそっと彼女を下ろし、背負いなおす。 何度か緩い角を曲がると、目の前の崖とそこに立つ小型の灯台が少し切れて、太陽が彼の真向かいに出てきた。 乾期の日差しは眩しく、肌を焼くが不快ではない。 どうにか片方の腕を自由にし、サングラスをオリーブ色のパイロットスーツの胸から取り出してかけた。 太陽の方角――基地から離れてずっと先の岩場にはアシカのコロニーがあって、 彼とエリスとで一度見に行ったことがある。近くの丘に国旗の柄のピクニックシートを敷いて、オペラグラスで遠くから。 61 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 13 28 ID pVoyrG8a [5/9] 海沿いの道路はやがて陸に上がっていき、兵舎の並びに行き当たった。 それらから少し離れたところに。ボリスとエリスの寝泊りしている小さなプレハブが立っている。 中に入り、寝室でエリスをベッドへ下ろす。 頭をそっと枕に置こうとしたとき、エリスがちらと目を開けたのに気づいた。 「起こしたか?」 「ん……」 ベッドに横たわったまま、エリスが両腕をボリスの首に回そうとする。 ボリスのほうから屈んで顔を寄せると、彼女は素早く身を起こして唇を押しつけた。 「ん」 「具合は……」 吸いつくようなキスから、唇が一瞬離れたときにボリスが言いかけたが、 すぐにエリスの舌が彼の口を塞いだ。 エリスが完全に上体を起こしてボリスを抱き、ふたりの鼻先がぶつかる。 ボリスは肩を抱いて彼女を受け入れながら、彼女の長い睫毛を見下ろした。 髪と同じ、根元まで見事に金色。変身したときは、毛髪と一緒に睫毛まで青くなるのだろうか? 視線を逸らし、頭越しに寝室の窓を見る。薄手のカーテンが透けて、空の青色が映っている。 ようやくエリスが離れて、ボリスは彼女の肩に手を置いたまま尋ねた。 「具合は悪くないのか?」 「ぜーんぜん。証明してご覧にいれましょうか、ここで」 エリスの白樺の枝のような手がシーツを叩く。ボリスはかぶりを振って、 「少し寝ておけ。それから医務室にもちゃんと行くんだ」 「……はいはい。分かりましたよ、王子さま」 エリスは肩に置かれた手を払って、わざとらしくすねてみせる。 「で、ボリスはどうするの? ……あたしをひとりで寝かせといて」 「少し船を見て、それからエヴノーたちとブリーフィングだな。夕飯までには戻れると思うよ」 ボリスは彼女に背を向けて、部屋を出て行こうとした。エリスが言う。 「あたし、ちゃんとやれたでしょ?」 「ああ、バッチリさ」 「あんたはさ」 そこで言葉を切った。ドアノブを掴みかけていたボリスが振り返ると、彼女は笑って 「ほんとにあたしの王子さまなんだよ。グラヴィーナの皇太子さまなんかでなくってさ」 62 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 14 40 ID pVoyrG8a [6/9] ――――――――――――――――――― インペリアル・コンデムドの魔空間「要塞」―― 「補給線が完全に絶たれたってわけでもないんでしょ?」 執務室の机でうつむくロックに、ラベンダーが言った。 「でも、三つのルートのうちひとつがおかげで復旧中よ。 残りふたつも防備を強化して、進入路の暗号も変えて――しばらくうちへの補給は後回しね。 ここの管理体制だって色々変えなきゃならないし、スパイ狩りも始まって、やりづらくなるわ。プランは一時中止」 ロックはいら立たしげに髪を掻いた。 彼女が背にしている執務室のカーテンのない窓は、 この魔空間の外観として選択された、永遠の夜空で黒く塗りつぶされている。 よく見れば、空の彼方には偽者の星が瞬いているはずだが、部屋の照明にかき消されてここでは光らない。 窓は鏡になってふたりの姿を映している。ロックの机の向かいに立つラベンダーの、口紅の紫色まではっきり分かった。 「犯人はグラヴィゾンド帝国、第一皇太子ボリスの一味で確定なんですか? 親父の敵討ちとは殊勝なもんです」 「それはそうだけど、むしろ問題は現政権下で軍部のどの程度の人数が信用に足る人間かということよ。 諸外国の介入を突っぱねるだけの力を残そうとすれば、安易な粛清は必要な戦力まで削りかねない。 かといって現状を放置しておけば、不穏分子を腹の中に抱えたままで国家改造を推進しなければならない」 「軍に裏切り者が?」 「おそらくね。監視の甘くなりがちな地方分隊はほとんど前赤軍の将官で固めてるけど、 それでも現場の一部には帝国軍時代の経験豊富な部隊を残しておかなければならなかったから、 そこから同調して水面下で連中に手を貸してるところも出るかも知れない。 今回の後詰の航空隊、フラダリ最後の通信の内容から推測すればユザール連邦軍所属のようだわ。 艦の情報自体も、どこからか漏れていたと考えるのが妥当ね…… 全く! いくら手が足りない、敵の魔空間への侵入も予想してなかった、とは言え、 護衛艦もつけずじまいで、現にあっさり沈められて、じゃあね」 63 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 16 20 ID pVoyrG8a [7/9] ラベンダーはふと、横の壁に張り出された地図を見た。安普請のプラスチックの壁に両面テープで留められたそれは、 縮尺一千万分の一、鮮やかに彩色されたグラヴィーナの広大な国土で、 黄色い蛍光ペンでつけられた小さな点がひとつ、極北のツンドラ地帯の白地に浮かんでいた。 その下に書かれた文字は彼には読めない。グラヴィーナの言葉で書いてあるのだ。 たったひとつの大陸の四方を囲む海の外は、彼らが今いるのと同じ魔空間、空と水以外には文字通り何もない。 魔法国は皆、魔空間の中に浮かぶ閉じた世界だ。生活圏としては、現実界の地球よりずっと小さな領域でしかない。 「安全が確保されるまでプランは中止、ですか……」 「時間がないことは承知済みよ。つまり、私にとっての時間ということだけど」 ロックが顔を上げた。冷えびえとした蛍光灯の光の下で、彼女の顔はより一層白い。 「私は使い捨ての駒よ、だから戦犯の身のままでこの仕事を任されてる。 立場としては、地方の守備についてる帝国軍あがりと何ら変わりないわけよ」 薄い青色の瞳がじっとラベンダーを見つめて動かない。 しばらく見つめ返すが、結局は彼のほうから根負けして目を逸らした。 「『プランR』の進行ですがね――」 指で片方のお下げを巻き取りながら、 「どうにかして、このペースで続けられませんか? ぼくとしても時間は大事にしたい」 「不可能よ。人手も物資も補給がなくなってる今、干上がることは目に見えてるわ」 ラベンダーは話を聞きながら、お下げを巻いた指を解いて、その手でエプロンの下をまさぐった。 ラベンダー色の塗装のターボライターと、赤い、細長いモアの箱を引っ張り出し、 一本抜いて口の端にくわえ、火をつける。吸い込んだ息が、歯の隙間を通り抜ける音がする。 「それに、今のやり方じゃどの道駄目なのよ。このままじゃ計画は片手落ち、私の特赦も遠のく」 「『スヴィエート』の実戦運用と解析、同時に対抗技術としての対魔結界及び搭載兵器の開発――」 またエプロンをまさぐって、携帯灰皿を左手に持つと、 「どちらか一方でも欠ければ連邦の軍事に未来はない、か」 64 名前:BIG BAD MAMA-RANGE KITCHEN[sage] 投稿日:2010/02/03(水) 01 17 29 ID pVoyrG8a [8/9] 「あの魔法少女隊――」 そう言ってロックは、ラベンダーが巻いた左手の包帯を見た。少しだけ血が滲んでいる。 「ちょっと早すぎますね。連盟もいずれ対策を講じてくるとは思ってたけど、こうも早いとは。 京都の中学校連続爆破事件以来、連盟の情報管理もガード固いですからね。うちも情報不足で予測できなかった」 ロックは確かめるように指を握ったり開いたりするが、そのうち顔をしかめて止めてしまった。 ラベンダーが煙草のまだ短い灰を灰皿へ落とす。 「ただ、敵さんがああして腹を固めてくれたからには、今後はあの三人に的を絞れますね。 予定より少し早いが関東部での活動に規模を縮小しましょう。それなら手はないこともない」 「考えがあるの?」 「人もモノも、他所さんから出させる最高の考えがね」 くわえ煙草で執務室のキャビネットまで歩いていくと、何かのファイルを取ってきて、ロックに差し出した。 ロックは受け取ったファイルを開いて適当にめくってみる。どこかの組織の内偵資料。表紙に戻って、読んだ。 「関東妖閻会?」 「連中にしばらくヤサを借ります。妖閻会は関東一の魔法少女戦の雄、学べることは多いでしょう」 「そんな大きな組織が手を貸してくれるわけないでしょう? 第一、これ以上部外者を噛ませるような計画が許されるとでも思って?」 「あなたの立場は分かります。うちからもちゃんと説得しますよ」 「私たちが考えたって、相手――妖閻会が呑む理由がないわ」 「その代わり断る理由もない。確かに、魔法少女戦を仕切ってる宣伝部は伝統もあって堅物だ。 でも最近は組織本体が改革路線であちこちの合理化を始めてるし、宣伝部はその流れの中で 苦しい立場にある。関西の系列団体から幹部を引き抜いて、近くテコ入れの予定があるとも。 割り込む余地はあります。新任の幹部たちは、若いのもあって使えるものならなんでも使うと評判ですしね。 保守的な宣伝部長に対する自己主張の材料として、うちの技術を買ってくれるかも知れません」 ラベンダーが、思い出したように煙草の灰を落とす。 彼が机の前に立つと、煙草の穂先が窓ガラスの鏡像の中で蛍のように明るく光る。 「パステルルージュはまだぼくら以外の組織と戦った経験がない。 データ収集の意味では、これは絶好の機会です。きっと、連邦のお偉方も呑みます」 ロックはラベンダーを見上げた。視線は、彼の喉仏、尖った顎、紫の唇からそばかすの浮いた鼻までを 順を追って移動していき、最後には彼の作り物めいた輝きのある瞳を捉えた。 「なんだか、手回しが良すぎるわね」 「ぼくら『ゼロ』の売りは手の広さと実験精神です。いつだってプランBは用意してありますよ」 ラベンダーが大げさに肩をすくめて、それから手を腰に当てた。腕の動きで、穂先から剥がれた灰が舞う。 大きな塊は、ロックがちょうど広げたばかりのページの写真に落ちた。 隠し撮りの顔写真――四人の男女。関東妖閻会、宣伝広報部の幹部たち。
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/2683.html
前回より数日後… 基地司令室にて* ハッキネン「では、後はお任せ下さい」 マスター「ああ。だがよ、一つ聞きたい事がある」 ハッキネン「何か?」 マスター「なぜあいつなんだ?他にも沢山いるだろう」 ハッキネン「……申し訳ありませんが、軍事機密ですので」 マスター「復興支援が軍事機密ね……まあなんにせよだ、あいつを頼む」 ハッキネン「頂いたメモに注意事項が?」 マスター「ああ、それとな、あいつたまに夜泣きするんだ。理由を聞いたって答えやしねえで、ずっと女房に抱きついて泣き続ける。 そんで、翌朝にはケロッとした顔で家の掃除してんだから、よくわかんねえ奴だよまったく」 ハッキネン「……私から言えるのは、これは決して不幸な選択ではないという事くらいです」 マスター「…不幸にしてみろ。常連共連れて、基地を襲撃してやる」 ハッキネン「肝に銘じます。それでは…失礼致します」 基地ゲート前* 俺「わぁ…ここがカウハバ基地…」 衛兵「ん?どうした坊や、何かようかい?」 俺「あ、えっと、今日からここでお世話になります○○と言います!」 衛兵「ああ、君が例の…では司令室に行ってもらえるかな?道案内は…」 エルマ「あれ?俺君?」 俺「あ、エルマ中尉!こんにちわー!」 エルマ「こんにちわ。一体どうしてこんなところに?」 衛兵「聞いてないんですか中尉?ハッキネン少佐が基地に雇ったんですよ」 エルマ「えっ?!そ、そんなこと今初めて知ったんですけど…」 衛兵「ああ…まぁとにかくこの子を司令室に連れて行きたいのですが」 エルマ「あ、じゃ、じゃあ私が連れて行きますね。行こう、俺君?」 俺「ありがとうございます中尉!衛兵さんも!」 衛兵「うんうん。頑張って働いてくれな。では、お任せいたしますエルマ中尉」 基地内* 俺「基地内、初めて入りました…」 エルマ「えへへ、意外とぼろっちいでしょ?」 俺「そんな事ないですよ~スラッセンの仮設テントなんか目じゃないくらいです!」 エルマ「あう…ごめんね…私たちが頼りないばっかりに…」 俺「え?いや、そんなつもりじゃないですよ!ご、ごめんなさいこっちこそバカな事いっちゃって…」 アホネン「あら?エルマ中尉、そのちっこいのはなんですの?」 エルマ「あ、アホネン大尉。えっとこの子は…」 アホネン「ああ、今朝のミーティングで言っていた雑用係さんですわね。私はミカ・アホネン大尉。第一中隊の隊長ですわ。 以後よろしく…といっても、私の部隊は男子禁制ですので、立ち入らないようにお願いしますね」 俺「は、はい!よろしくお願いします…ええと…アホヤネン大尉…?」 アホネン「使い古されたネタありがとうございます」 エルマ「で、ここがトイレで、あそこが倉庫で…」 俺「えっと…エルマ中尉…その、司令室は…」 エルマ「あ…! うぅ…ごめんね、なんか案内するのが楽しくって忘れちゃって…」 俺「あはは…(だ、大丈夫かなこの人…)」 エルマ「ええと…あ、ここが司令室ですよ。一応身だしなみは整えてね?」 俺「は、はい…なんか緊張しますね…」 エルマ「ハッキネン少佐は雪女って言われてるけど…実際はとっても優しい人だから大丈夫だよ!」 俺「そ、そうなんですか?そういえばなんとなくそんな気も…」 エルマ「じゃあいきましょうか。ノックして…」 『どうぞ』 ガチャ エルマ「エルマ中尉です。俺君を連れてまいりました」 ハッキネン「……何時間待たせれば気が済むのですか?」 エルマ/俺(ヒイィィィィ…!)ガタブル 司令室* ハッキネン「そういうわけで、貴方を正式に当基地の第二中隊雑用係に任命します」 俺「は、はい!精一杯がんばります!」 ハッキネン「そんなに固くならなくても大丈夫です。恐らく貴方には第二中隊の身の回りの世話などを頼む事になるでしょう。エルマ中尉?」 エルマ「はい?」 ハッキネン「朝申し付けた通り、全員を営舎に待機させてありますか?」 エルマ「え?あ、はい? そ、そんな命令ありましたっけ…」 ハッキネン「このように、第二中隊副隊長はあまり使い物になりませんので、細かな指示等は穴吹智子中隊長か、ビューリング少尉に仰いでください」 エルマ「う…うぅぅ…ひどい…」 俺「あは…はは… わ、分りました~」 ハッキネン「ではエルマ中尉、彼を"寄り道せず"営舎まで案内を」 エルマ「ふぁぃ…」 ハッキネン「ああ、そうそう、忘れていました俺君」 俺「はい?」 ハッキネン「他にも何名か忘れている者がいるようですが、ここは最前線、かつ軍の施設です。 一歩間違えれば命を落とす事も十分ありえる、死と隣り合わせの場所だという事を忘れないでください」 俺「…はい」 ハッキネン「では、エルマ中尉、お願いします」 エルマ「…了解いたしました」 俺「ふぅ…緊張しました…」 エルマ「ごめんね、私が道草くっちゃったばかりに…」 俺「いえそんな!え、えと、これからよろしくお願いしますね?」 エルマ「あ、うん!こちらこそよろしくね! うちの隊のモットーは『みんな頑張ろう』だから、俺君も頑張ってね」 俺「はい!分りました!」 エルマ「うぅ……まともな子でよかったぁ…」 俺「はい?」 第二中隊詰め所* エルマ「え~…そういうわけで、今日から皆と一緒に働く事になった俺君です!拍手~!」 ぱちぱちぱちぱち… 智子「君が噂の魔力を持った男の子ね?」 ハルカ「なんか…思ってたよりも小さい子で安心しましたね」 オヘア「ハルカのいう事はあまり気にしないでOKねー 久しぶりね、俺君!」 ウルスラ「研究サンプル…」 ビューリング「……」ムスー 俺「み、みなさん!不束者ですが、精一杯がんばりますので、よろしくお願いしますっ!」 オヘア「あはは!そう固くなっちゃ身が持たないねー」 智子「そうそう、まあ見ての通り聞いての通り、いらん子なんて呼ばれてるところだからね…あまり緩すぎるのも問題だけど」 エルマ「で…ビューリング少尉はなんでそんなに渋い顔を…」 ビューリング「……」ムスー ビューリング「…いいのか、お前。ここは戦地だぞ?」 俺「えっと…その…」 ハルカ「まぁまぁまぁまぁ!いいじゃないですか~。 雑用係ということは、つまるところパ・シ・リですよね?!」 智子「あんたって子は…ひぁぅん!き、急に尻を撫でるなぁぁ!!」 ハルカ「え、急じゃなければいいんですか?」 智子「そういう問題じゃなああああいっ!」(抜刀する音) オヘア「わあああ!トモコ!ストップ!ストップねー!俺君がちびっちゃうねー!」 エルマ「う、ウルスラさんもビューリングさんも止めてください!きゃあぁっ!」 ウルスラ「…面倒くさい」 ビューリング「……本当にお前…いいのか?ここは、こんなところだぞ…?」 俺「あは…あははは…」 マテー! アブナイネー! チュウイィィ! アブ!アブナイデスカラ! ザシュッ! アッ… ハルカ「」 智子「えー…とにかく!俺君、少佐から聞いたと思うけど、第二中隊の雑用をお願いする事になるわ」 俺「は、はい…」 オヘア(完璧引いてるねー…)エルマ(ドン引きしてますね…) 智子「貴方に頼みたいのは、掃除に料理に、ええと…掃除に料理にお使いに…」 ハルカ「パシリ…」ボソ 智子「そうそう、要はパシリ、使いっぱ… あんたはまだ伸びてなさい」ゲシ ハルカ「あぁんv」ガク… 智子「まあ、言葉は悪いけど、そういった事をお願いすると思うわ」 エルマ「そうですねー、私の書類整理なんかも手伝ってくれるとありがたいです」 オヘア「あとは、私たちにお茶汲みしてくれたりー」 ウルスラ「…実験の手伝いとかも頼みたいかも」 ビューリング「…まあ、無茶はするなよ?」 俺「わかりました!マスターのとこである程度の事は仕込まれてますので、少しでもお役に立てるように頑張りますね!」 智子「そういえば、俺君何か特技とか趣味とかないの?」 俺「へ?ううーん…得意なのは…家事とかです。趣味は…ううーん…?」 ビューリング「コーヒーは美味かったな」 俺「あ、コーヒーは大好きですから、美味しく淹れるように勉強したりしました!」 智子「へ~…なんでビューリングがそんな事しってるの?」 ビューリング「色々あってな…疲れるからあまり聞かないでくれ」 オヘア「掃除に料理に、使いっぱ…お茶汲み…まるでメイドさんねー」 ハルカ「でも助かりますね。食事は基地食堂でしたけど、お夜食やおやつは自分で作ってましたし」 エルマ「そもそも、材料があまりないですからね(復活した…)」 ビューリング「なんにせよ、こうなった以上は仕方がないか(復活した…)」 オヘア「みんな料理下手くそだから、期待しちゃうねー(復活した…)」 ウルスラ「私、ケーキが食べたい(復活…)」 智子「さすがに、ズボンの洗濯だけはさせられないけどね(復活したか…)」 俺「はいっ!みなさん、よろしくお願いしますね!」ペコリ その夜 営舎外* ビューリング(表向きは復興支援の一環…建前としては立派だが…) ビューリング(他勢力から隠蔽するために、基地で保護する…か) ビューリング(…あんな子供に、それだけの価値があるのか?) ビューリング(単純に、スオムス軍部が独り占めしたいだけのように見えるが…) 俺「あ、ビューリングさ…少尉!」 ビューリング「ん…ああ、階級はいらない。お前は軍人じゃないからな」 俺「えへへ…ありがとうございます カハヴィを淹れたので持ってきました!」 ビューリング「そうか、ありがとう」 俺「あの、嬉しかったです。褒めていただいて」 ビューリング「なんの話…あぁ、コーヒーか。いや、私はタバコを吸うからな。紅茶よりコーヒーの方が味が単純で分りやすいんだ」 俺「それでも、やっぱり褒めてもらって嬉しかったですよ…」 ビューリング「…そう、か」 俺「それに…憧れのウィッチさん達と、それもビューリングさんと一緒に暮らせるなんて、夢みたいです!」 ビューリング「……マスターや酒場はいいのか?」 俺「あ…… マスターは、最初出て行けって急に怒り出して…でもその後お上さんが本当のこと話してくれて……その…もう、お金がないから、一緒に…すめなくなる…って…」グス ビューリング「…なあ、俺」 俺「は、はい…なんですか?」 ビューリング「きっとマスターやおかみさんは、お前のこと本当の家族だと思ってる」 俺「……うん」 ビューリング「今は…戦争中だ。平和な時なら、きっとお前を基地によこしたりなんかしない」 俺「……」 ビューリング「だから…その…少しでも早く平和を取り戻す。絶対にだ。だから、あの人達を恨んだりは…」 俺「恨むだなんて…っ おかみさんも、マスターも…風邪だけは引くなって…抱きしめて…うぅ…」 ビューリング「…はぁ……ほら、背中を貸してやる」 俺「う…ビュー…リングさ…ん……ごめん、ごめんなさ…うぅぅぅ…」グジグジ ビューリング(まったく…なにをやってるんだかな、私は) 一方その頃 司令室* 智子「男性の魔力保持者…数は少なく目撃例も最近では殆どない…」 ハッキネン「そうです 故に彼は余計な争いの種になりかねません」 智子「だから、基地で保護する?」 ハッキネン「そういうことです 何しろ今は戦時ですから…」 智子「なるほどね… まあ確かに上の人達がこの事をしったら五月蝿いでしょうね」 ハッキネン「実を言うとそれだけではありません。彼の魔力がどんな性質の物なのか、見極めたいのです。」 智子「…どういうこと?」 ハッキネン「ウィッチには固有魔法がある。あなた方にもあるのでしょう?」 智子「……ん、まあね まだここでは使ってないけど…」 ハッキネン「もちろん彼を戦場に出すつもりはありません。ですが、固有魔法がどのようなものかによっては…」 智子「十分利用価値がある、って事ね」 ハッキネン「…あまり、良くはない事だとはわかっていますが」 智子「いいわよ、なにせ今は戦時ですもの。使える物は親でも使え。私たちもそんな感じで集められたようなものだしね」 ハッキネン「あなた方には心から感謝していますよ。 ともかく、あらゆる国の軍上層部から、彼を隠蔽しなくてはなりません」 智子「他の国は分るけど、なんでスオムスにまで警戒する必要が?」 ハッキネン「……それについて詳しく話す事は出来ません。 ともかく、彼には普通の人間として存在してもらわなくてはならないのです」 智子「木を隠すなら森の中…ね なんだか釈然としないけど、まあいいわ。秘密任務ってわけですよね?」 ハッキネン「はい。あなた方第二中隊は、彼を雑用係として匿いつつ、極めて消極的で構いませんので、彼のウィッチとしての素質や魔力の性質を監視・調査してもらいます。」 智子「了解いたしました、ハッキネン基地司令殿」 ハッキネン「よろしくお願いいたします…… 出来れば、彼とは仲良くしてあげて下さいね」 智子「ええ、まあうちの部隊の子は、皆いい子ですから」 ハッキネン「……ええと、一応彼は思春期の子供だという事をお忘れなく」 智子「…ハルカ一飛曹は、まあ…そこまで馬鹿だとは思いませんが…」 ハッキネン「行為に及ぶ際は、彼のいない所でこっそりと、あまり大きな声を出さないようにお願いします。 なにせ、ここの壁は薄いので」 智子「なっ…わ、私はそのべつにそんな趣味を持ってるわけではなくあの子が無理やりにですねその、って聞いてますか少佐ほんとですからね誤解しないで(ry」 いらん子中隊雑用係の俺君はビューリングお姉ちゃんが気になるから頑張るよ 第三話 おわり
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/389.html
570 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 44 09 ID PInRSSth 春、美奈は小学生になった。 学校に行くことになる、と美奈に言った時の喜びかたは強烈だった。 「本当!?兄さん、私も学校に行っていいの?あはっ!これでお昼の間も一緒だね!」 予想以上の美奈の上機嫌に、同じ学校に通っても一緒に居られる訳じゃない、 と言えなかった。 自身の言葉で美奈を落ち込ませるのが恐かったんだと思う。 案の定、学校に行くまではうきうきしてた美奈だったが下校時には目に見えて落胆していた。 「…やっぱり学校なんて……… あ!ねぇ、兄さんって何年何組だったっけ?」 俺は特に考えずに質問に答えた。 571 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 45 49 ID PInRSSth 驚かされたのは次の日だ。 一時間目が終わり教室でのんびりしていると聞き慣れた声が聞こえた。 「えへへ、兄さん、来ちゃった。」 姿を確認するまでもない、美奈だ。 「へぇ、よく場所がわかったね。」 この時は美奈のことを褒めた。エラいエラいと頭を撫でた。 授業間の休み時間は短い。 その短い時間に小学一年の美奈が俺の教室を見つけ、やって来たことを単純に凄いと思ったからだ。 しかし、 美奈は毎時間毎時間やって来た。 授業が終われば飛んで来て、開始ぎりぎりまで粘っている。 これは、間違ってる。そう感じた。 572 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 47 17 ID PInRSSth 兄バカかもしれないが、美奈は賢い子だと思う。オセロだって強い。 間違ってることをしているのならば早めに修正すればよい。 何事にも悪くなり始めがある。そして悪くなり始めのうちは案外簡単に手が打てる。 というのが俺の持論だった。 先手先手を取っていけば取り返しのつかない事態にはならない、 そう思い、その日の下校時に俺は美奈に言った。 「美奈、もう教室には来ちゃいけないよ。」 美奈は信じられないといった顔でこちらを見てきた。 「なんで!?教室に行かないと一緒に居られないよ?」 「そうじゃないよ、美奈。」 573 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 48 51 ID PInRSSth 俺は続けた。 「美奈、学校っていうのはね、兄妹で仲良くする場所じゃないんだ。 勉強したり、友達を作ったり、クラブに精一杯になったり、そうゆう所なんだよ。 だから、休み時間を僕と一緒に居るのに使ったらいけない。 今のうちはいいかも知れない。でも、将来困るのは美奈なんだ。わかる?」 「わかんない、わかんないよ。 だって…兄妹なんだよ?一緒に居ないなんておかしいよ。そうでしょ?」 「美奈、学校に兄妹を持ち込んじゃ駄目だ。兄妹でいるのはそれ以外の場所。」 「なんでなんで?そんなの、変だよ!!それに」 「美奈!!」 574 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 50 22 ID PInRSSth 美奈に対して大声を出したのはそれが初めてだった。 思えばむきになるような事でもなかった気がする。 しかし、美奈にあんな風に食ってかかられたことが無かったから、つい興奮したんだろう。 俺の声に美奈は震え、俯いた。そんな姿は俺を後悔させるには十分すぎた。 気まずい沈黙がどれくらい続いたのだろうか。 どうやって謝ろうか思考を巡らしていたところで 美奈は小さな声で、囁くように喋り出した。 「……わかった。兄さんが、そう言うなら……………そうする。 でも……………………………のは、………までだよ。」 575 :ideal ◆zvQNG0FZvQ [sage] :2006/11/26(日) 20 52 08 ID PInRSSth 「うん、わかってくれて嬉しいよ。ごめんな、大きな声出したりして。」 最後のほうは殆ど聞き取れなかったが、美奈が応じてくれたことに安心して言葉を返した。 「私も、ごめんなさい。わがままいって。」 そう言って美奈は笑い、腕に抱き着いた。 家に着く頃にはいつもどうりの仲の良い兄妹に戻れた、と思った。 いや、"仲の良い"兄妹だと思っていたのは初めから俺だけだったかもしれない。 いずれにせよ、今も昔も、美奈の黒い瞳の向こうがわを読み取ることなど 俺には不可能であり、 先手を取ったと思った時にはとっくに手遅れだった。
https://w.atwiki.jp/tukinokaze/pages/180.html
⑦夢と現実の世界~第三話~ テ「キャプ…テン…オリ…マー…?」 そう。その人は、紛れもなく、ピクミンの主人公、オリマーだったのだ。 オ(オリマー)「ん?私の名前を知ってるのか?」 ピクミンがいるから、オリマーがいても不思議じゃない。 でも、テルキには希望の光が見えた。 (オリマー。この人がいてくれれば、僕は安全…。そしてその内、元の世界に帰れるかもしれない!) テルキは、オリマーのことを尊敬していたのだ。 たとえゲームでも、巨大生物に勇敢に立ち向かい、ピクミンを操る。 その姿はテルキにはスターに見えていたのだった。 テ「あの…僕を一緒につれていってください!」 オ「え?いきなり何を言い出すんだ!?」 テ「あ、失礼しました!えっと、僕の名前はテルキっていいます!」 オ「私はオリマーだ。」 テ「知ってます。」 オ「あ、ああ。」 テ「オリマーさんに憧れているんです!どうかつれていってください!」 オ「し、しかし…どれほど危険な目にあうか…」 テ「危険は承知してます!」 テルキは、オリマーを尊敬しているという憧れの心を素直にぶつけた。そして… オ「はぁ。仕方ないな。この辺に置き去りにもできんからな。」 テ「本当ですか!?ありがとうございます!」 (やったぁぁーー!!オリマーの実力を自分の目でみれるんだ!) テルキは元の世界に帰るという目的を忘れていた。 その後、オリマーについていき、やがてドルフィン号が見えてきた。 テ「す、すごい…!本物のドルフィン号だ…!」 オ「そういえば君はやけに私たちに詳しいな。」 テ「そりゃもちろんずっとゲームをしてましたからw」 オ「またゲームか。私とピクミンのゲームでもあるのか?」 テ「はい!とっても強いですよねw」 オ「君の生まれた星は何という名前の星か教えてくれないか?」 テ「僕の生まれた星は、ヒイラギ星です。」 オ「うむ。何故その星で私とピクミンのゲームが…?」 テ「う~ん…何故って言われても…」 オ「いや。やっぱりいい。今度、私をその星につれていってくれないか?」 テ「え?」 オ「その星のゲーム会社に聞いてみたいんだ。」 テ「は、はぁ。」 (って言われても…ここゲーム内の世界だからなぁ…僕が帰れるかもわからないのに、ゲーム内の人をゲームの外につれていけるのかなぁ?) オ「今日は日没が近い。この辺にして帰るとするか。」 テ「そういえば、まだこの星にきたばかりですか?」 オ「ああ。久々に休暇をもらってな。1年ぶりにこの星にきたところだったんだ。」 テ「そうだったんですか。えっと、じゃあ…」 オ「この続きは、宇宙船にのってからにしよう。日が暮れてしまうからね。」 テ「あ、はい。」 ドルフィン号は、一人乗りに見えて二人乗りだった。 (これって二人も乗れたんだ…ゲームじゃわからないことも、実際見てみるとわかるなぁ…) オ「さて。テルキ君。さっきの続きを話そうか。」 テ「はい。じゃあ、ピクミンはまだ一匹も仲間にしてなかったんですか?」 オ「ああ。今日来て、向こうに赤オニヨンが見えたから、いこうとしてたら君がいたんだ。」 テ「へぇ~。」 テルキとオリマーは夜中までずっと話し続けていた。 お互いに質問し合い、どんどんテルキは状況を把握していった。 どうやらオリマーは、ピクミン2でお宝を全部集めた後、ホコタテ星に帰り1年間働いて、久しぶりに休暇を貰い、その期限は60日らしい。 つまりテルキは、60日の間に帰らないと、オリマーなしで帰る方法を見つけなくてはいけなくなるのだ。 テルキは運動音痴。オリマーなしでは到底生きていけない。 ゲームではうまくいっても実際はうまくいかないはずである。 不幸中の幸いといえば、オリマーがきたのは今日ということ。 つまり、あと59日期間がある。 オリマーがきたのが30日前だったら、あと30日しかないところだったのだ。 果たしてテルキは、無事に元の世界に帰ることが出来るのか…? 残り 59日 続く
https://w.atwiki.jp/euphshaker/pages/24.html
飛んだ。飛び掛った。殴りつけた。斬りつけた。 「――……!!」 言葉にならない叫びを発して。 この子の残った右腕を叩きつける度に。尻尾の切断翼で斬りかかる度に。 私の中で、何かが壊れていった。 気が付けば、私はレドラーから放り出されて、瓦礫の上に転がっていた。 「……」 そして眼前に、拳銃を持った男の姿。黒髪。冷たい紫の瞳。 「……撃てば?」 半ば自棄になって、挑発的に言った。 「いいよ、撃っても。私、どうせ死ねないから。動けなくなるくらい撃って。痛くてどうしようもなくなって、ずっと眠っていられるくらいに……!」 出来っこないのは、わかっていた。どんなに痛くても、いずれ私は目覚めてしまう。 でも。 「撃ってよ……! 早く、撃ってってば!!」 それでも。 「楽にしてよ! 死にたいよ、私だって!! せめて、あの子達と同じ思いをさせてよぉ!! 気付いてるでしょ!? あなたなら、あの時私を殺したあなたなら、私が何なのか!! だから……!」 理不尽で、矛盾して、どうしようもない言葉。叫ばずにはいられなかった。叫ぶことが出来るから。あの時と違って、言葉に出来るから。 「……リッツだ」 男が口を開いた。 「リッツ・ルンシュテッド。元ガイロス帝国軍中尉」 淡々と、感情のこもらない声で。 「……君は、デススティンガーなのか?」 「そう……だよ」 私は、現状私がこうなっている理由を彼に話した。 「ならば、いきなり襲われても文句は言えないな……」 リッツは顔を伏せる。 「だが、君も相応の業を背負うだけのことはしたはずだ。一体いくつの命を奪った? 人、ゾイド、問わずに」 「わかってる……。死ねないのも、子供達を失ったのも、全部報いだって」 「いや、わかってない」 リッツの声に、鋭さが増した。 「今だって君は、ひとつの命を奪いかけている」 そう言って、視線を向けた先。 「あ……!」 片腕のレドラー。 「君はまだ、自分しか見えていない。かつての俺のように。傍にいる者の気持ちを、感じようとしていない」 よろよろと、私はレドラーに向かう。 「あ、あぁ……」 傷だらけだった。致命傷こそないが、このままいけば、いずれ衰弱が取り返しの付かない度合いまで進行するだろう。 「……どうすればいいの?」 振り返る。 「君には出来るはずだ。同じものとして、俺よりも確実に、そのレドラーの気持ちを感じ取れるだろう」 リッツの声。やはり、淡々と。 「……ダメ、だよ。だって、拒まれたら……」 「それでも、だ。感じなければいけない。そうしなければ、君は永遠にこの苦しみから抜け出せない」 逡巡したまま、もう一度、レドラーに向き合う。 「……っ!」 瞬間、左腕に激痛が走った。 「え……!?」 流れ込んでくる、この子の気持ち。 無いはずの左腕を駆け抜ける痛み。 「ファントム、ペイン……?」 幻肢痛。聞いたことがあった。切断したはずの、本来無いはずの体の部位が、痛みを覚える症状。 「……教えて、くれないかな」 断片的に浮かぶ映像。この子の記憶。 被弾の衝撃。パイロットが、射出座席で脱出する。すまん、と言い残して。でも、直後に左腕付け根が小爆発を起こし、吹き飛んだ左腕が、パラシュートを開く直前のパイロットを直撃して……。 「……辛かったね」 この子は、その人が好きだった。その人と飛ぶのが、大好きだった。 「ううん、今も、辛いよね……!」 だから、自分の左腕がその人を殺したことを、忘れられない。忘れようとしない。左腕を治すことを拒絶するのは、そのため。 治せば、ファントムペインも治まるかもしれないのに、それでも。 「でも、いいんだよ。きっと、その人は君を待ってる」 無責任な言い方だけど、今この子を苦しみから解放出来るのは、リッツの言葉を借りるなら、私しかいない。 「また、君と飛ぶことが出来る日を待ってる……。だから、もう……!」 そこから先は、言葉にならなかった。 少しして、 「……?」 不意に、私の体の奥底、そこに眠るゾイドコアに、何かが流れ込んできた。 「これ、は……」 浮かぶ映像、そこにいたのは、レドラーと良く似たシルエットの、しかし人と同じくらいの大きさの、小さなゾイド。 それが私自身の姿、オーガノイドとして私が得た姿であると気付くのに、それほど時間はかからなかった。 オーガノイドとは、究極の汎用型ゾイドコアの総称。既存のゾイドの遺伝情報を受け取り、書き換え、進化を促す。 この子から受け取った、私の姿。 そして、 「……さあ、飛ぼうよ」 眩い光が、私とレドラーを包む。オーガノイドの力。ゾイドコアの活性化。傷を癒し、力を与える力。 飛ぶことを、この子が望んだから。 傷が癒えていく。あれほど拒んでいた、左腕の復元も行われる。 力強く羽ばたいて、飛び立つ。 私も飛ぶ。この子がくれた姿になって。翼を広げて。 別れ際、こう聞こえた。 ありがとう、と。 再び、墓標の前に降り立つ。いつしか私は、人の姿に戻っていた。 「……わかってなかったんだな、私」 後ろにリッツが立っている。私は振り返らず、呟いた。 「これからわかっていけばいいさ。少しずつ、な」 少しだけ、感情のこもった声。懐かしんでる、のかな。 「……ん」 頷く。 「でも、やっぱり私は、人間が嫌いだ」 後ろで、リッツが若干苦笑したらしい。息の漏れる音が聞こえた。 「俺を殺すか?」 「いや。やめとく。人間は嫌いだけど、ゾイドに好かれてる人間を殺す気はもうない」 後ろを向く。 「これからどうする?」 「あなたと同じ。私に出来る形で、ゾイド達を苦しみから救っていく」 「知ってたのか」 また、リッツが苦笑いする。 「あなたがオーガノイドシステムを止めようとしてたってことはね」 歪んだ力の、歪んだ使い方。それを正そうとしている人間がいると、いつか聞いたことがある。 名乗られてから気が付いた。 「なら……、またいずれ、会うこともあるだろう」 「……だね」 墓標に花を手向けて。 ジェノブレイカーが遠ざかる。それを見届けて。 「……行こう」 私は、子供達が眠る遺跡をあとにした。 私の本当の体を探すため。 探して……破壊するため。
https://w.atwiki.jp/angelbeats/pages/51.html
Q.岩沢が消えた理由は? A.自分の音楽が出来て満足したため、とゆりは考えています。 Q.岩沢がゆりの過去を知っていた理由は? A.岩沢は他の戦線メンバーの過去も知っていたようなので 戦線メンバーはそれぞれお互いの過去を話している、と考えるのが妥当。 "下っ端"のユイも知られていたかは不明だが。 Q.天使に従ってないのに消えるのですか? A.消える条件は、天使に従うのではなく、 -Track ZERO-で、ゆりが最初に言った満足するかどうかだと考えられます。 Q.ゆりっぺが、最悪な結論と言ったのは何で? A.抗うべき神が居ないかもしれないと予想したからです。 成仏に関しての考察 逆説的に天使は、成仏させないために制止したのかもしれません。 NPCが感情のある人間であり、ガルデモの歌に感動した可能性も指摘されてる。 989 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2010/04/17(土) 05 00 09 ID beOmvr0fP 岩沢ちゃんは消える前 やっと見つけたと言ってるんだよね これって現世の未練がなくなるでも、バラードが歌えて満足するとかそういう煩悩を満たされる的な事じゃなく 自分が何の為にこの世に生まれたのか理由が見つかったら(納得したら)消えるんじゃないかな? ここに居る人達は生まれた意味があるのか?ってと思うほど理不尽な人生を送ってきてるっぽいから 天使のPCにあった名簿 895 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2010/04/17(土) 02 56 40 ID Cc3/EAiS0 ttp //pa.dip.jp/jlab/ani0/s/pa1271439602786.jpg 元首相も成仏してないのか・・・・ 20 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 03 55 56 ID K5v9xAoq0 小沢■■ 加山修三 kaya~ 河島莉那 KawashimaRina 甲本仁志 KomotoHitoshi 斉藤和美 SaitoKazumi 坂本茂 SakamotoShigeru 佐川吉成 SagawaYoshinari 桜井加世 SakuraiKayo 沢田陽一 SawadaYouichi 椎名枝里 ShinaEri 竹下登 TakeshitaNoboru 竹光桃子 TakemitsuToko 多田香苗 TadaKanae 立花和伸 TachibanaKazunobu 玉城昌也 TamakiMasaya 田森和弥 TamoriKazuya 寺尾聡野 TeraoAkino 時田慎太郎 TokitaShintaro 富田洋介 TomitaYosuke 七尾多美 NanaoTami ■島優希 NishijimaYuki ■■久司 NinomiyaHisaji ■■和義 HaradaKazuyoshi ■■■子 HosonoYuko 名簿の詳細はわからないからなんとも言えないけど、全校生徒の名簿なら 学年クラスはバラバラだったから全校生徒を五十音順に並べたやつだと思う 975 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2010/04/17(土) 08 47 35 ID hG0xdwTs0 既に出てたらゴメン 777の名簿の頭の方分かる範囲で 相川満 Aikawa mitsuru 新居秋夫 Arai Akio 石野拓郎 Ishino Takuro 稲?澤朱実 Inazawa Akemi 岩瀬涼子 Iwase Ryoko 植尾冴子 Ueo Saeko 上原大地 Uehara Daichi 遠藤圭子 Endo Keiko 太田千絵 Ota Chie 岡田民江 Okada Tamie 小沢俊司 Ozawa Shunji 名簿を音楽関係者に合わせてみる 665 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2010/04/17(土) 04 28 05 ID l5321PnO0 全員ミュージシャンに名字があるね、やはり。下の名前までパロになってるのもいる。 小沢健二 加山雄三 川島英五 河本ヒロト 斉藤和義? 坂本九 佐川満男 桜井和寿 沢田研二 椎名林檎 竹下欣伸? 777 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2010/04/17(土) 07 36 48 ID l5321PnO0 調べたりして出来るだけあの名簿のメンバーの名字を音楽関係者に合わせてみた 小沢■■ 小澤征爾 加山修三 加山雄三 河島莉那 川島英五 甲本仁志 河本ヒロト 斉藤和美 斉藤和義 坂本茂 坂本九 佐川吉成 佐川満男 桜井加世 桜井和寿 沢田陽一 沢田研二 椎名枝里 椎名林檎 竹下登 竹下欣伸 竹光桃子 武満徹 多田香苗 多田葵、多田武彦 立花和伸 立花優(「生きもの地球紀行」ED「Tomorrow」を歌ってた人)、立花ひろし、立花ハジメなど 玉城昌也 玉置浩二 田森和弥 タモリ?(歌手経験はあるが) 寺尾聡野 寺尾聰 時田慎太郎 ? 富田洋介 富田京子 七尾多美 ? ■島優希 NishijimaYuki 西島隆弘 ■■久司 NinomiyaHisaji 二宮和也 ■■和義 HaradaKazuyoshi 原田真二 ■■■子 HosonoYuko 細野晴臣 27 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で 投稿日:2010/04/17(土) 08 59 38 ID l5321PnO0 前スレ 975 相川満 Aikawa mitsuru→相川七瀬? 新居秋夫 Arai Akio→新居昭乃(は間違いないだろう) 石野拓郎 Ishino Takuro→石野真子 稲?澤朱実 Inazawa Akemi 岩瀬涼子 Iwase Ryoko→岩瀬敬吾 植尾冴子 Ueo Saeko 上原大地 Uehara Daichi→上原多香子 遠藤圭子 Endo Keiko→遠藤賢司 太田千絵 Ota Chie→太田裕美 岡田民江 Okada Tamie→岡田有希子 小沢俊司 Ozawa Shunji→小沢健司、小澤征爾( 777の最初の小沢?) 次回予告の文字 [c136] プレイボール! [c59] あたし、戦力になるよ [c57] 野球だよ [c118] ドンッ ストップ ザ ダンシング! [c78] 勝負だ、小僧… [c5] こいつが岩沢の代わりだと… [c40] 最強のチームを作ってやるぜ [c117] 死ぬまでなにやってたか謎だらけだぜ! [c68] ユイ、にゃん(ハート) [c159] 俺たちは、誰と戦ってるんだ… [c28] クビですね [c183] あなたたちのチームは参加登録していない [c33] 死よりも恐ろしい罰ゲームね [c244] …お前震えてるのか? [c290] そいつは…最高に気持ちがいいな… TK台詞 「get chance and luck」
https://w.atwiki.jp/gmseiya/pages/80.html
【第三話】 歌声と落涙 天使出現の証「エーテル流」 しかし天使が現れ崩壊を招くような事態は起きなかった。 バノスシティでそれが観測され1月近くたっていた。 街は何も変わらず、天羅・テラ双方の衝突の境にあった。 この街は天羅に侵略を受け蹂躙され、それの奪還にロケットレンジャーズ 部隊が試験的に投入され血で血を染める戦いの末現在はテラ領となっている。 天羅支配時代の悪しき行いが「復讐」の名の下にテラ人達の手によっても 下された。 「天羅狩り」である。 そんな混沌とした街の状況を憂いた市長がレイジングガイアに一報を入れた のだ。 「エーテル流目撃されたし、街混乱期の為腕の立つモノの力を借りたい」と。 そこでゼンリフュールはバルキリーの朧を呼び出し、調査を頼んだ。 今回の調査にはジークフリート・リヒトホーフェンが加わり、同行することとなった。 彼は表向き「ロステク技術の研究」を対価に線戦力を提供する傭兵のようなものだ。 その実、レイジングガイアが「合衆国に敵となるのか否か?」を判断する為にある部隊 より送り込まれたスパイである。 一行は、バノスシティへトレーラーで向かい(伝説トレーラーの運転手、コール・アフターバーナー) そこで天羅の指導者達の公開処刑を目撃する。 天羅がテラに行ったという公開処刑をやり返すような見世物は住民の天羅への怒りと 憎しみが駆り立て、異常な雰囲気の中実行されてしまう。 街にはロケットレンジャーズの常駐部隊「アルビス=ペイン」が居り、隊長はまだ若き 女性仕官だった。 名門「シュルツ家」の出身の重圧を女の身に背負い気丈に振舞う、それが アイネ・シュルツだった。 彼女にしてみれば、功績を上げ本当は跡取りの男子を賜りたかった父に喜んで貰いたい、そんな気持ちも あったのかもしれない。 バノスシティを護るよう軍から命じられた以上、天羅は敵であり憎むべき存在。 そう言い聞かせるようPC達にもつっかかってきた。 彼女達アルビス=ペインが駐屯する教会には天羅の捕虜が捕まっており(教会が酷い仕打ちをうけないよう 保護しているという意味でも有る) その存在は志乃や秋・ジェイドを悩ませていた。 彼らは非戦闘員であり、捕まるような罪は犯していないのだ。 しかし、天羅への悪憎渦巻くこの街ではこうして保護しなければ危険なのだ。 捕虜の中には広場で歌を披露し、サーカスでは猛獣どもを手なずける少女「しずの」の姿があった。 彼女はテラ人に両親を殺されテラの人間を過敏に恐れるようになっていた。 彼女と同じ房に居るローザとよばれる女性もまた囚われの身だった。彼女はテラ人でありながら 天羅人を庇った疑いがあると牢に捕えられているのだ。 言葉を発す事の無い彼女は自身の疑いを晴らす事もなく只、慈愛の微笑を浮かべるだけだった。 そんな彼女達の世話をする教会の少年「リゲル」神の御使いである天使を崇め、天使討伐隊でもある PC達には興味を持って接してきた。 「天使達はシスター達が言うような"悪”なのですか?」 リゲルは捕虜達の身辺を献身的に助けてはいたが、心を開いてくれないしずのには困惑していた。 教会の壁画のように人々に優しく手を差し伸べる 悲劇は突然起きた、天使の目撃調査をすすめるPC達に教会が襲撃されたと夜中知らせが入ったのだ。 天羅側の残党が捕虜奪還・ロケレン襲撃の為教会を襲ったのだ。 しかしそこは、アルビス=ペインの猛者達。侵入者は撃退され被害は無いように見えた。 だが、教会には爆発物が仕掛けられ非情にも発動する。 捕虜達はそこから離れた場所にいる為被害は無く、シスター達も非難して無事ではあった。 だが「リゲルが居ない!」「あのこ天使の絵画の前で寝ちゃって逃げ遅れたんじゃ!?」 シスター達の悲鳴に、ジェイドと秋が火の海に飛び込んだ。 目の前で崩れ落ちる炎の瓦礫の中、リゲルは無事だった。ジェイドは爆発音と光の中、舞い散る羽を見た気がした・・・。 捕虜を無事護り、シスター達の無事を確保し、天羅の襲撃を撃退した。 アルビス=ペインの名はバノスシティで上がったが、軍の上層部はよしとしなかった。 軍幹部の使いが訪れ、アイネ・シュルツを罵倒し檄を飛ばす。 「天羅の残党ごときに好きにやられ根絶やしにも出来ず・・・所詮は女か」 「いぶりだし徹底的に殲滅しろ!人質を何の為に囲ってるんだ馬鹿が!」 シュルツの部下は唇を噛み、飛び掛る気持ちを必死にこらえていた。 ジークは熱くなる青年将校に声をかけ、その辛さ悔しさをバネにするよう諭した・・・。 人質を使った天羅残党の刈り込み作戦…処刑台にしずのや、ローザも連れ出されるというのだ。 シュルツに説得を試みるロザリアとジーク。だが彼女は「人質を処刑することは無い、しかしバノスの平和を護る 任を請けた以上天羅の残党を見捨て置く事は出来ない」と苦しそうに語った。 志乃・秋・ジェイドは人質奪還を企てていた、リゲルも加わり現実的には厳しいロケットレンジャーという監視の 壁、人質を危険に晒さず助ける方法は無いのか? それに、レイジングガイアとして合衆国の軍隊と揉める判断は朧には出来ない…意見は定まらず、有効な手段も 見えずに意見は彷徨っていた…。 実はリゲルが人質解放を決意したのには協力者が居たのだ「謎の和尚」を名乗る天羅人。 話に寄れば、その天羅人「レイジングガイア」をリゲルに名乗ったという。 リゲルから話を聞いたロザリア達は急ぎその人物に会いに行った。 謎の和尚を名乗る人物それは…ロックシティで行方不明となっていた酒水だった。 酒水によれば彼もまたこの地に天使が光臨した事実を調べ調査していたという。 「気づかれたらしょうがねぇな…だが俺は“天羅の傭兵”だ。レイジングガイアの酒水じゃねぇ」 酒水は「ステルス袈裟(マントでは無いらしい)」を持っておりロケレンの注意を引きつける役を買って出た。 「しっかり頼むぜ、バルキリー。俺もお前らが無事で安心したぜ」 メンバーが飛び出して言った後、朧がひとり酒水の元を訪れた。 「ゼンリュフュールはんも、心配してましたよ」 酒水は笑いながら、心配してたなら悪かったなと言い。朧に宜しくと伝えた。 作戦は実行され、無事人質は解放は達成される。 助け出したしずのが「ローザ」の異変を口にしたとき、メンバーの嫌な予感は的中してしまう。 彼女こそ天使そのものだったのだ。 リゲルを抱きかかえるローザに構えを取りメンバーに警告を促す酒水。 リゲルはローザに抱かれ、恍惚とした表情で全身を光に包まれていく。 「少年が天使化しちまうまで時間が無い!全力で飛ばして行け!!!」 羽を広げ迎え撃つローザはあの微笑のまま天使となってPCを迎え撃つ。 ローザの魔法が次々と羅刹を生み、修羅の世界に引きずり込まれていく・・・。 志乃の陽子剣の一撃も、ジェイドの大剣や秋の雷鳴の様な一撃も耐え切るローザ。 崩れ落ちかかるメンバーを酒水が防護し、ロザリアが的確な支援を送る。 朧の渾身の魔法が天を突き、ジークの重機関銃が吼え戦いは終わりを見せた。 あと氷薄の勝利はジェイドを修羅寸前まで追い込み、ガルフォンの二の舞を誰もが案じた…。 戦い終わり、リゲルは天使化から逃れ、天使は中へと消えた。 街での戦いは終わる事無いものかもしれない…だが、戦いを見守っていたシュルツはバルキリー達に言う。 「人質に逃げられた汚名は負う、人質を危険に晒す汚名には比べるべくもないしな」 「私は私の出来る事をやるだけだ。早くこの街から出て行くんだな」 バリキリーは人質をトレーラーに乗せ天羅陣へ送り届けるべく街を離れる。 歌が響いていた…善と悪の妖が戦い共に滅びるそんな悲しい歌を…。 しずのはテラ人が苦手だった…だが、歌声に引かれトレーラーを見送るサーカスの仲間や、街の人々に 体を乗り出し精一杯手を振っていた…。 ステルス袈裟を羽織った坊主が涙ぐむ少年の背中を叩く。 「少年よ、しっかり成長して大切なものを自分の力と意思で護れるようになれよ」と…。 唄声と落涙 ~完~
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1938.html
665 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05 46 06 ID +5guJgzA 陣氏が、恐る恐るリビングを出て玄関に向かうと、廊下でフェルデリアに出くわした。 「あ、ご主人様。お目覚めになりましたか」 「今のインターホンでね……フェルデリアの召使いの、アレウナさんって人が来ちゃってるよ」 「やっと来ましたか。早速入れてやりましょう」 「え? その格好で会うの!?」 陣氏は驚愕した。 フェルデリアは全裸のまま、陣氏の買ってきた首輪を着けている。それ以外、身に着けているものと言えば、頭のティアラとイヤリングぐらいだ。 とてもではないが、人に会う格好ではない。 「俺がリビングに案内しとくから、服を着てこいよ」 「必要ありません。わたくしがご主人様の性欲処理奴隷であることは、既に伝えてあります。服など着ていたら、わたくしが奴隷の役目を果たしていないのではと、誤解を抱くかも知れません」 「是非誤解してほしいところなんだけど……」 そうしている間にも、ピンポンピンポンとインターホンは鳴らされていた。 「今出ます。少し待ってください!」 陣氏は玄関のドアに向かって叫んだが、フェルデリアが勝手にドアを開けてしまった。 「遅かったわねアレウナ。入りなさい」 「ひいっ!」 陣氏は慌てたが、もう遅い。外には金髪の、20代前半と思われる修道女が立っていた。 背は、フェルデリアよりも若干低いぐらいだろうか。それでも陣氏よりは大分長身だろう。 修道女アレウナはフェルデリアの姿を見て、案の定目を丸くしていた。 「姫様……」 陣氏は急いでフェルデリアの前に立ちふさがり、彼女の姿を隠した。 「あの、初めまして。朝霧陣氏です。これはですね……」 「これはご丁寧に」 修道女は、陣氏の言葉を最後まで聞かず、一礼して歩み寄って来た。 「中に入れていただいてよろしいでしょうか?」 言葉遣いこそ丁寧だったが、陣氏を見下ろす視線は力強く、拒否は認めないという物腰だった。 ――こりゃあ、フェルデリアが奴隷になったことで相当怒ってるな…… 考えるまでもなく、それが当然だった。自分の仕えている王女が異国の男の奴隷にされて、何も思わない方がどうかしている。 ――きっと、フェルデリアを解放しろって言いに来たんだろうな。 それ以外考えられなかった。もっとも、それは陣氏にとって好都合だ。 アレウナの要求に従うという形にすれば、フェルデリアを解放する大義名分ができる。 ――後は、アレウナさんがフェルデリアを説得してくれることを祈るばかりだな。 わずかの間にそれだけ考えた陣氏は、アレウナを家の中に招き入れることにした。 「どうぞ。お入りください」 666 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05 47 15 ID +5guJgzA 「改めまして、お初にお目にかかります。わたくし、フェルデリア王女にお仕えしております、修道女のアレウナと申します」 シスター服を着たアレウナは、ソファーに座ったまま、対面に座る陣氏に頭を下げた。 ちなみに、フェルデリアは陣氏の傍らに侍立している。王女が立っていて、召使のシスターが座っているという、何とも珍妙な光景だった。 「どうぞ……」 陣氏は、キッチンから持ってきた急須で、アレウナの前のカップに紅茶を注いだ。 そして、自分の前のカップにも注いだ。 フェルデリアは、黙って立っている。 『そのような給仕仕事はわたくしがいたします』とでも言うかと思いきや、自分の召使いにお茶を淹れる気にはならなかったようだ。 さらに言うと、陣氏としても、アレウナに飲んでもらうために紅茶を用意したわけではなかった。 おそらくアレウナは、陣氏に対して相当な嫌悪感を持っているだろう。その陣氏が淹れたお茶を素直に飲むはずがない。毒でも入っているのではと疑っているはずだ。 それでも用意したのは、最低限の礼儀だと思ったから。念のため、同じ急須に入れてきたのを飲み、毒身までして見せる心算だった。 が、そのような陣氏の気遣いは、全く無駄に終わった。 陣氏が自分のカップに紅茶を注いでいる間に、アレウナが何の躊躇いもなく彼女の分を飲んでしまったからである。 「あ……」 「何か?」 「いえ、何でも……日本にはいつ着かれたんですか?」 気を取り直して陣氏が尋ねると、アレウナは答えた。 「ずっと日本の教会におりました。国で反乱が起きたとき、わたくしはいち早く脱出するよう姫様から命じられ、縁のある教会に身を寄せていたのでございます」 「そうですか……」 陣氏が傍らのフェルデリアを見ると、彼女は頷いていた。アレウナの言うことは間違いないようだ。 「……で、フェルデリア王女のメールを見て、こちらにいらっしゃったんですね?」 分かり切ったことだったが、あえて陣氏は聞いた。 できればそんなものはすっ飛ばして、ここに来た要件を早くアレウナ自身の口で言ってほしかったが、物には段取りというものがある。 「そうです。姫様が朝霧様の奴隷になられたと聞いて、取るものも取りあえず、やって参りました。ああ姫様、何というお姿に……」 アレウナは、フェルデリアの方を見て目頭を押さえた。 「あっ……アレウナさん。お気持ちはよく分かります。ショックですよね。しかし、フェルデリア王女がいつまでもこの境遇かと言うと、必ずしもそうとばかりは言い切れない部分がなきにしも非ずでして……」 陣氏は、アレウナを慰めながら、彼女が要件を切り出しやすいように話の方向を持って行った。 これでアレウナは、『フェルデリアを解放しろ』と陣氏に要求できるだろう。 「アレウナ」 そのとき、フェルデリアが口を開いた。 「早く要件を言いなさい。余計な無駄話は、ご主人様に失礼よ」 667 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05 47 58 ID +5guJgzA いや、別に無駄じゃないんだけど。陣氏はそう言おうとしたが、先にアレウナが話し始めた。 「そうでした……申し訳ございません。今日ここに参りましたのは、朝霧様にお願いがあってのことでございます」 「承りましょう」 やっと本題だ。陣氏はほっとして、ソファーに座り直した。 「はっきりと申し上げます。いかに王家の恩人がお相手であろうとも、王女ともあろうお方がこのような姿になっているのは、見るに耐えません」 「ですよねえ」 陣氏は同意して頷き、紅茶を口に含んだ。 「どうかお願いです。姫様お1人を奴隷にするのではなく……」 「?」 「わたくしも奴隷にしてくださいませ」 ブーッ!! 陣氏は空中に向け、勢いよく紅茶を噴き出した。 ベージュの霧と相まって、見事なカラーリングの虹がリビングにかかる。 「何でそうなるの!?」 驚愕のあまり、丁寧語にするのを忘れて陣氏は抗議したが、アレウナは涼しい顔で答えた。 「姫様お1人を奴隷の境遇に置いておくなど、お仕えするものとして到底耐えられるものではございません。何とぞわたくしも、同じ奴隷となって、苦しみを分かち合いとうございます」 「…………」 陣氏は何も言えず、口をパクパクさせた。 これでは、事態が何も改善しない。むしろハイスピードで悪化している。 「ご主人様がわたくしへの調教を減らさない範囲でなら、いいでしょう」 「フェルデリア! 勝手に許可しないで!」 「駄目なのですか? ご主人様」 「駄目に決まってるじゃん! 大体普通なら姫様を解放しろとか何とか……」 「わたくしでは、朝霧様のご調教に耐えられないと、そう仰るのですね」 「え?」 陣氏はアレウナを振り返った。 見ると、アレウナが立ち上がっている。 「あの、そういうことじゃなくてですね……」 「お気遣いは無用です。ご覧ください」 そう言うと、アレウナはシスター服を無造作に脱ぎ捨てた。 「うげえっ!」 思わず陣氏は、悲鳴を上げる。 シスター服の下に、アレウナは何も着ておらず、ただ股間に金属製の貞操帯だけを着けていた。そしてその体中に、傷痕や痣、蚯蚓腫れがあった。 フェルデリアに勝るとも劣らない巨大さの乳房の先端には、金色のピアスが2つ、光っていた。 「何それ……?」 「背中にもございます」 アレウナが背中を向けると、確かにそちらにも傷が多数あった。 そして、背中一杯に、十字架に磔になった人が刺青されている。 よく見ると、磔になっているのはアレウナ自身だった。 ちなみに、背中の上半分、すなわち自分の手が届かないところには、何の傷もなかった。 「…………」 「自らを戒めるため、日夜己の体に責めを行っております。朝霧様のどのような拷問にも、耐えてご覧にいれます」 絶句している陣氏に、得意げに説明するアレウナ。 668 名前:現物支給 ◆0jC/tVr8LQ [sage] 投稿日:2010/10/25(月) 05 50 35 ID +5guJgzA 「諦めてください、ご主人様。アレウナは一度こうと決めると、梃子でも動きませんから」 他人事のように言うフェルデリア。 しかし、陣氏としてはそう簡単に諦めるわけには行かなかった。 「か、か、神に仕えるシスターを奴隷にするのは、宗教的に差し障りが……」 「いいえ。これは神がわたくしに与え給うた試練。朝霧様の奴隷としての生涯を全うしてこそ、信仰の道に適うのです」 物は言いようにも程がある。陣氏は次の手に打って出た。 「うちには金がないんだ。2人も食べさせられない」 「ああ、申し上げるのが遅れました。それでしたら全く問題ございません」 アレウナは、自分が持ってきたハンドバッグに手を突っ込むと、無造作に何かを取り出し、テーブルの上にボトボトボトと落とした。 「うそーん」 陣氏は固まった。 テーブルにあるのは、正真正銘の紛れなき、1万円札の束また束ではないか。 「こいは一体、何でごわすか……」 もはや標準語をしゃべることもままならず、西郷どん口調で陣氏は尋ねた。 「スイスの銀行に隠してある、王室の隠し財産です。今は天井知らずの円高ですので、とりあえず必要と思われる分だけ、日本円に換算してきました。足りなければ、後でいくらでもご用意します」 陣氏の全身から、どっと冷や汗が吹き出した。 もう、アレウナの申し出を断る大義名分がない。 そればかりか、昼間、フェルデリアの買い物要求を断ったときの言い訳、『金がない』も今日以降は完全に潰されることになる。 「あうあうあ……」 「さあ。わたくしを奴隷とお認めください」 「ご主人様、往生際が悪いですよ」 「致し方ありません。こういたしましょう」 アレウナは陣氏に、1つの鍵を手渡した。 「これは……」 「わたくしの貞操帯の鍵でございます。今から1時間、朝霧様はお好きなようにわたくしを凌辱、拷問なさってください。命令でも結構です。一切抵抗、拒否はいたしません。 わたくしがギブアップすれば、奴隷になるのは諦めます。1時間わたくしをギブアップさせられなければ、奴隷と認めていただきます」 「え? それはちょっと……」 「いいわね。そうしましょう」 「では姫様。時間のカウントをお願いいたします」 「待て。カウントはいかん。話せば分かる」 「はい。スタート」 どこから取り出したのか、フェルデリアはストップウォッチを持っていた。無情にもスイッチが押される。 「ええと、ええと……」 どうしてよいか分からず、右往左往する陣氏に、フェルデリアがそっと語りかけた。 「まずは、貞操帯を剥ぎ取って床に這いつくばらせ、鞭で叩くのが定石かと」 「鞭なんかないよ」 「昼間ご主人様が買わなかったからです。自業自得ですね」 もう、身も蓋もなかった。 ………… 「……ギブアップ」 1時間後、陣氏はそう呟いて、床にどうと倒れ込んだ。 何もしなかった訳ではない。鞭の代わりに平手で、アレウナの豊満なヒップを叩いてみたりした。 しかしアレウナは、「ああんっ!」とか「いいっ!」とか悲鳴を漏らして体をくねらせるばかりで、ギブアップのギの字も言わなかった。 拷問の知識など全くない陣氏はどうすることもできず、時間切れとなったのである。 横たわる陣氏を見下ろし、フェルデリアとアレウナは語り合った。 「姫様、これでわたくしも、晴れて朝霧様の奴隷ですね」 「ええ。まずは首輪を買っていただかないとね。ああ、いけないわ。奴隷契約書も……」 しかし、精魂尽き果て失神した陣氏の耳に、それらの声が届くことはなかった。
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2432.html
257 :初めから:2011/10/31(月) 01 27 37 ID ccRIKDDQ 『ヒャッハー!!汚物は消毒だっー!』 「そうだ!やっちまえモヒカン!」 「モヒカンもいいが、やっぱジャギ様だな」 「…ふ、二人ともなんでケンシロウを応援しないの?」 秀君と翔太君はとても仲が良い。 今日も秀君の家で、秀君おススメのアニメを見ている。殺伐とした世界に 救世主が現れるお話なのに、二人して悪役の方を応援している。 私は、ケンシロウの方がカッコいいと思うんだけど… 「よしっ!次はこれだ」 「おいおい勝手に取るなよ。今日は凜子の為に来たんだろう?」 え? 「凜子!良く聞け!明日から凜子は友達を増やしていく!」 「ど、どういうことなの?」 秀君が言うには、私はもっと積極的になった方が良いらしい。 確かに私は、秀君や翔太君以外とはあまり話さない。 だけど、それは必要がないからだ。私にはこうやって大切な友達がいるんだから。 「いいか凜子、俺たちは友達だがいつか別々になる日が来る。その時のために人見知りをなくすんだ」 「べ、別々?なんで?」 「男子と女子だからだ」 それは…理由になるのかな? 「わ、私達友達だよ!男子も女子も関係ないよ!」 「それでも、人見知りを失くすのはいい事だ。こうゆうのは、早い内に失くそう」 なんで、秀君そんなこと言うのかな?私の事嫌いになったのかな? それに、さっきから翔太君何も言わないし… 「翔太君はどうなの!?」 「り、凜子…君付けはやめろって言っただろう」 「…翔太」 「…………お、俺は重秀に賛成だ」 翔太君まで…秀君のこういった根回し良さって時々怖くなる。 これは…秀君の言うとおりにした方がいいのかな? 「………………わかった。でも如何すればいいの?」 「簡単だよ。仲間にしてって言えばいい」 258 :初めから:2011/10/31(月) 01 28 38 ID ccRIKDDQ 「ぁあの…私も混ぜて?」 「うん!いいよ!」 ほ、本当だ…簡単に仲間にしてくれた。秀君の言うとおりだ。 「何して遊ぶ?」 「えっ…えと…えと…」 困って秀君と翔太君の所を見る。翔太君は心配そうな目で、秀君は――穏やかな目で私を見ていた。 「じゃあさ!じゃあさ!あっちで絵でも描こうよ!」 「…絵?」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「あれでよかったのかよ…重秀」 「ああ。さやかは元気な奴だからな、凜子をどんどん引っ張っていくだろう」 ふてくされた様子で尋ねる翔太に断言する。およそではあるが、女子と男子は小学校三年生あたりから 性別ごとにグループを作り始める。今の内に女子の友達の一人二人作っておかないと、 大変な事になる。 「それによく見ろよ…凜子楽しそうだろ?」 「そうだけどさ…」 今まで、男子の俺たちばかりと遊んできた凜子は女子の遊びには疎い様だ。 だが、俺達と遊んでいた時よりはイキイキしている。 「もし断られたら如何する気だったんだよ?」 「大丈夫だったろう?問題ないさ」 実際そうならないように、女子で一番活発なさやかや他の数名にも 話を通しておいたのだ。――さやかからは、後で何かさせられそうだが… 「ほらクヨクヨするな!好きな子が構ってくれなくて寂しいのか?」 「う、うるせぇ!」 「体を動かせば嫌なことは忘れられる。遊ぶぞ翔太!」 「…よし!健一達も誘ってサッカーしようぜ!」 こうして、小学校一年の冬は過ぎて行った… 259 :初めから:2011/10/31(月) 01 30 39 ID ccRIKDDQ 「ちょっと男子っ!サボんないで掃除してよ!」 「さやかちゃん声大きいよ…」 小学校三年――あれから二年が過ぎた。時間というのは早いもので、既にクラスは 女子と男子のグループに別れていた。放課後の掃除をサボった奴がいるようで さやかが、怒り心頭だ。 「ちょっと、重秀!あんたからも言ってやってよ」 「何を言っても聞かないやつだって居るんだよ。ほっとけ」 「それじゃ、ダメよ!先生が掃除はみんなでやれって言ったじゃない!」 「代わりに、そいつの分まで俺がやるから」 まだ不満なのか、ブーブー文句を言ってくるさやかを尻目に 凜子と共に、黙々と掃除を進める。 「重秀の言うことなら健一だって従うでしょ」 「あいつがその典型例だ。俺だってもう何度も言った」 健一は男子のガキ大将みたいなやつで、さやかとは敵対している。 そんな事で、俺の頼みでもさやかが絡んでいるとなれば 答えは決まってNOだ。 「ほら、さやかも掃除しろ。早く終わらせるぞ」 「むぅ…」 メンドクサイ奴だ… ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 今日は一人での帰宅になった。いつも一緒の凜子は、さやかに連れられて買い物に 最近、つれない翔太は健一達とサッカーでもしてるんだろう。 そんな帰り道の公園に、このあたりでは見ない子がブランコに座り夕陽を見ていた。 「どうした?」 「わっ…」 突然話しかけられて驚いたようだ。 改めて少女を見る。 異様なほど白い肌と髪、血のように赤い瞳の色――これは確か 「アルビノ?」 「す、すごい!良く分かったね!?」 260 :初めから:2011/10/31(月) 01 32 36 ID ccRIKDDQ 突然話しかけられて驚いたようだ。 改めて少女を見る。 異様なほど白い肌と髪、血のように赤い瞳の色――これは確か 「アルビノ?」 「す、すごい!良く分かったね!?」 少女は良くしゃべる子だった。なんでも見た目で外人扱いされ友達とか少ないらしい。 アルビノというのは良く幻想的なイメージを聞くが、弱視や紫外線への弱さなどの 問題を抱える。 決して良い事ではない。 「なんでこの町に?」 「私ね、この町の病院で生まれたんだ。それで『故郷は見ておきなさい』って、ばっちゃが言ってたから」 ばっちゃ?この子に両親は居ないのだろうか? 「父さんか母さんはどうしたんだ?」 「父さんは、私が生まれた日に交通事故で…」 うん?ちょっと待てよ? 「お母さんは?」 「私を生んで、一年後に自殺したって…」 じ、自殺? 「ゴメン…なんか変なこと聞いて」 「大ジョブだよ!二人とも顔も覚えてないから!」 少女は、呆気からんに笑う。中々逞しい子だ。 なんでも、祖父母は東京に住んでいるそうで少女も一緒に住んでいるらしい。 少女の通う学校は有名なお嬢様校で、エスカレーター式で大学まで行く学校らしい。 その学校は聞き覚えがあった。 「成城学園?」 「なんでも知ってるんだね!?」 そりゃぁ、知っている。葵が通っていた学校だ。 「ねぇねぇ、君も来てよ成城に!」 「たしか、高校から男女共学になるんだよな?」 「そうだよ!一緒に遊ぼうよ!」 そうだな…と答えを濁しつつ考える。 もしかしてこの子… 「あっ、ばっちゃだ!」 咄嗟に、その方向に顔を向ける。そこには妻――美代子の両親が居た。